私の実践・私の工夫(理科)
使いやすい理科室づくり
1.はじめに
理科の授業が楽しいと思える子どもを育てたい。理科の授業には理科室の利用が必要になってきます。そのためには理科室が教師,子どもにとって使いやすい場所であることが大切です。つまり,実験や観察の準備がすぐにできることです。そのため,理科室の整備の仕方を紹介することにしました。このレポートが学校の理科室の改善や楽しい理科授業の取り組みに少しでもお役に立てれば幸いです。
2.使いやすい理科室とは
- ○ 誰でも迷わずに利用ができる。
- ○ すばやく準備ができる。
- ○ 器具の使い方がわかる。
と考えます。このポイントから理科室を整備してみました。
3.作業について
(1)事前準備
① 実験器具や消耗品を整理整頓しやすくするために,ケースを必要な数だけ準備します。空き箱などを使ってもよいですが,百円ショップなどで安く入手できます。
② 単元ごとに必要な実験器具をチェックできるシートを準備します。チェックシートには学年,単元名,教科書ページ数,実験器具名,チェック欄が用意されています。これを見ながら,すでにある器具,足りない器具をリストアップします。
③ チェックした実験器具のラベルを準備します。カラービニルテープにラベルを貼ると,後になっても外しやすく,壁も汚れないので便利です。
(2)整理方法
① すべての器具を棚から出して,どのように置いていくかを決めます。私の場合,全学年が頻繁に使うもの,危険性の低いものは実験室におき,頻繁に使わないものや現行の教育課程で使用しないもの,危険性の高いものは理科準備室におきました。
また配置場所は物理,化学,生物,地学の分野別に整理しました。分野別だと,同じ系統のものが近くにあるので見つけやすいからです。学年別に配置する方法もありますが,他学年同士が重複して使う器具も多いので,まとめづらいと考えたからです。配置すると同時に,準備段階で作ったラベルを貼っていきました。
② 薬品庫も薬品の性質や危険度により分類,配置しました。原則として,上段には比較的安全な薬品,中段にはよく使う薬品,下段には危険な薬品や液体薬品が配列されるようにします。強酸と引火性物質は他の薬品と分離するようにしました。
(3)その他
○配置場所のシートを作成し,いつでも見やすいよう実験室の教師用の机や薬品庫の扉に貼りました。
○「アルコールランプの使い方」「上皿天秤の使い方」などの使用方法が書かれたマニュアルを用意し,器具のそばにおきました。使い方を忘れてしまったときにも,すぐに確認ができます。
○ペットボトルやアルミ缶,びん,フィルムケース,牛乳パックなど,身の回りの物で実験に使えそうな物を集めておくと,より充実した準備が行えます。準備室に分別しておくと使いやすいです。
4.終わりに
このように教師,子どもにとって使いやすい理科室を目指して整備をしてきました。先生方からも「実験器具を探し出しやすくなった」「実験の準備が簡単になった」とうれしい声も聞けました。しかし,これで完成したわけではなく,今後も先生方や子どもたちの声を聞き,さらに使いやすいものにしていくことが大事だと思います。学年別の配置方法の検討や日頃の実験室の管理,器具の補充など課題も多くあります。より理科室を使って楽しい授業ができるような理科室づくりを目指して今後も取り組んでいきたいです。