ぐんぐんのびろ ひみつはっけん
児童は,アサガオやマリーゴールド,ヒマワリなどを種まきから世話を続け,水やり,肥料,支柱を立てる,草取りなど,植物に対して成長の変化に応じた関わりを考え,取り組んできた。そして,開花,結実を楽しみに世話を続けてきた。夏休み前に少しずつ開花し始め,開花の様子を観察し,さらに植物への興味を増してきた。また,アサガオやマリーゴールドなどの花びらを使い,色水遊びを経験した。この経験を生かし,身近な植物を使って,生活の中や学習の中で使えるものを作りたいと考え,草木染めに取り組んだ。
身近な植物に興味・関心を持ち,それらに生命があることに気付くとともに,植物を大切にすることができるようにする。
第1次 | たねってちいさいんだね | 土作り~種まき・苗植え | (2時間) |
第2次 | あっ,めがでたよ | 発芽~世話 | (2時間) |
第3次 | やったあ,花がさいたよ | 開花 | (2時間) |
第4次 | ひみつはっけん | 観察・花びらで草木染め | (4時間) |
第5次 | いっぱいできたね | 種とり・収穫 | (2時間) |
第6次 | たのしいことがいっぱいあったね | 振り返り・秋からの栽培 | (2時間) |
草木染めを実施するにあたり,マリーゴールドや,アサガオの花など,開花時期が夏休みと重なってしまうので,家庭に呼びかけ,集めてもらうようにした。ぶどうの皮,たまねぎの皮なども家庭に呼びかけた。マリーゴールドや,アサガオの花,ぶどうの皮は,冷凍して保存することができるので,夏休み中に材料を集め,夏休みが明けてから草木染めを実施した。
草木染めでは,絹の布は良く染まるが,経済的なことを考慮し紙を使いたいと考えた。半紙,画用紙,上質紙,障子紙,和紙など様々な紙で試した結果,熱にも強いことから障子紙がよいことが分かった。障子紙にあらかじめ,罫線やイラストを印刷してから染めると,風合いのある色の便せんとなり,お礼の手紙や招待状などに活用できる。
実施するにあたって
○水や火を使うので,家庭科室で実施した。
○染めた紙を乾かすための場所を作っておく。針金のハンガーを使うと,狭い場所でもたくさんの紙を干すことができて,便利である。
○事前に手順や,火を使うことへの安全面の指導を行う。
加熱する材料
加熱しない材料
加熱する場合
加熱しない材料
* 媒染液は紙に染まった色を落ちにくくするための液で,ミョウバンの代わりに酢でも同様の手順でできる。
* 今回の草木染めの障子紙は,パルプの含有率が多いものを使用。(パルプ80~90%)
鍋に入れて加熱し,色水を作る。
手で揉んで作ったアサガオの色水に,紙を浸す。
マリーゴールドで染めた紙を
媒染液(ミョウバン)に入れる。
ハンガーにかけて干す。
草木染めをした紙
マリーゴールド
<酢> <ミョウバン>
たまねぎ ぶどう
<ミョウバン> <ミョウバン>
○マリーゴールドやたまねぎの皮で染めた紙は黄色に,ぶどうやアサガオで染めた紙はピンク色にと,それぞれ自然の持つ優しい色に染まった。自分たちの集めた材料で,自分の手で染めることができたことに驚きと歓声が上がり,他の植物でも染めることができるのか,どんな色になるのかなど,草木染めに興味を持ち,植物に対しての関心が高まった。
○罫線が印刷してある紙は,国語の手紙を書く学習の中で活用し,思いをこめた手紙を書くことができた。
○火を使うので,安全面への配慮から担任以外の大人の手助けがあると安心である。