小学校 教科書・教材|知が啓く。教科書の啓林館
算数

「2ケタ+2ケタの筆算」における,思考を促す問題

大阪府A小学校 教諭

1.はじめに

単元の終わりになると,計算問題の演習を行うことが多くなっていく。子どもたちが意欲をもって取り組め,友達との交流を通して,深い学びをするために,考えたくなるような問題を準備する。

2.指導について

今回は以下の2点を行った。
Ⅰ テープ図を使って,量感を知る。
Ⅱ 3□+□3について考える。

3.量感を養うために

今回は最初の課題として,「38+83」の計算について考えた。提示の仕方は,「38+83=211」の間違いを見つけよう!とした。児童は100の位に繰り上がりはないことなどをいっていた。

そして,これをテープ図で考えることにより,200を越えることはないことを学習した。

黄色は38と83の長さのテープである。それぞれのテープは青と赤のテープ(それぞれ100)を越えることはない。なので,38+83は200になることはない。

このような説明を行った。

4.「3□+□3」について考える

①3.の問題から,「3□+□3」の計算を行った。ここでは,□は1~9までの好きな数字をいれて計算をする。実際に行う計算は,以下の9通り(38+83を含む)であるプリントを配布し,それに記入していった。

最初は各個人で計算をし,出来た人からほかの子を教える活動を入れた。こうすることにより,計算の早さの違いがあっても有効に時間を進めることができる。計算が終わっている児童でも人に教えることにより,間違いに気づいていた子もいた。

②でてきた答えを順番に並べ,法則性をみつける活動を行った。個人で見つけ,班で相談してから,全体で共有を行った。出てきた意見は以下である。

<子どもからでてきた意見>

5.おわりに

今回は□の中に好きな数字を入れながら計算を行っていった。そして,最後は法則性を見つけることにより,ただ計算するだけでなく,思考する問題にすることができた。

この後は,「4□+□4」など他の数字での法則や,「3□+□3」の計算結果の集まりと「4□+□4」の計算結果の集まりでの法則など,いろいろ発展させていくこともできる。