数の相対的な大きさは,数をある位の単位に着目してそのいくつ分と見る見方です。数の相対的な大きさを捉えることによって,数の仕組みについての理解を深めるとともに,数に対する感覚を豊かにすることをねらいとしています。
第2学年では,下の例のように,十を単位としたり,また,百や千を単位として,数の大きさを捉えさせます。
指導にあたっては,形式的にならないよう,計算棒や十円玉,百円玉など具体物を数える操作を通して理解させることが大切です。
数の相対的な大きさについての理解は,上の例のように計算の仕組みを考えたり,計算の結果を見積もったりするときに有効に働くものであり,その基礎となる力を養うためにも大切なものです。
第3学年では,数の範囲を万の単位まで拡張して理解を深めるとき,第4学年では,除法で仮商を立てるときなどにもいかされます。
第4学年以降,小数の場合についても取り扱い,小数の意味についての理解を深めるとともに,例えば,3.8×4の計算で,3.8を0.1が38個と見て,0.1が(38×4) 個と考えるなど,小数の乗除の計算の仕方を考える上でも有効に働いていきます。