わり算の筆算で,上のように,商の位ごとに商と除数の積,途中の余りなどを順次かいて計算を進めていく方法を,長除法といいます。
これに対して,右のように,部分積をかかずに途中の計算過程を暗算で行いながら計算を進めていく方法を,短除法といいます。
長除法,短除法のいずれも,頭の位から順次「たてる」「かける」「ひく」「おろす」という操作をしていく計算の手順に変わりはありません。違いは,部分積をかくかかかないかです。
わり算の指導では,「たてる」「かける」「ひく」「おろす」という筆算のアルゴリズムを,視覚的に捉えやすい長除法でしっかりおさえることが大切です。
短除法はその発展として挑戦させたい内容であって,全員に徹底をはかる必要はありません。
教科書では,こうした趣旨から,短除法は取り上げていませんが,興味・関心に応じて発展的に扱うことは可能です。
なお,かけ算の筆算においては,かける数が1桁のとき,計算を簡略化するため,長乗法でなく,途中の部分積をかかずに念頭で処理する短乗法を指導しています。