例えば,23×34の計算では,右のように,23×4の積92と23×30の積690をそれぞれ求め,最後にそれらを加えて全体の積を求めます。
23×34の計算の中で,23×4 の積92や23×30の積690のように,計算の途中の段階での積を部分積といいます。
かけ算の筆算では,一般に,かける数が1桁のときは部分積をかきません。しかし,かける数が34のように2桁以上になると念頭で処理できないので,部分積をかいていきます。
その場合,次のように,十進位取り記数法に基づいて,まず,かける数の一の位との部分積を1段目にかき,次に,かける数の十の位との部分積を2段目にかくことを理解させることが大切です。かける数の十の位との部分積は,本来690ですが,筆算では位ごとに計算していくので末尾の0を省いて,1桁ずらしてかくように指導しておく必要があります。
なお,筆算には,56×30のように,かける数の末尾に0がある場合が出てきます。
このような筆算では,かける数の一の位との部分積は0が2つ並びますが,一の位だけに0をかき,かける数の十の位との部分積をその左にかいていけば,1段で簡潔に筆算ができます。これは全員に徹底をはかる必要はありません。児童の興味・関心に応じて取り上げるとよいでしょう。