九九がなかなか覚えられない子や,誤りの多い子が九九の指導の初期に見られますが,ただ九九を丸暗記させようとしたのでは,算数嫌いの子どもをつくるだけです。ですから,九九をつくり上げていく過程を大事にしなければなりません。子どもの記憶を確実にするためにも,九九の構成は大切です。
九九の構成は,2~5の段では,数図ブロックの操作を通して行っていますが,6~9の段では,指導の効率などを考え,アレイ図を使用することにしています。
アレイ図(array)とは,下のように,●を縦横に規則正しく並べた図をいいます。
アレイ図の使用により,「単位あたりのいくつ分」という事象だけでなく,「積」になる事象にもかけ算が使われることを自然に納得させることができると考えています。
つまり,縦1列の●の個数を基準量と見て,そのいくつ分という見方で,全体の数を捉えさせます。そして,やがては縦の●の個数と横の●の個数をかけると全体の●の数が求められることを理解させていきます。