5.取り組みを終えて
2002年より「総合的な学習の時間」が始まることも取り組みを進めていくときに頭の中にはあったが,それ以上に21世紀の社会を担うこれからの中学生に,自分中心に物事を考えるのでなく,周りの人や自然を思いやったり,地球規模で物事を考えることができる人間になってほしい。特に,あと半年で卒業する生徒たちに,このあとの進路を考えるとき,今回の取り組みが少しでも今後の生き方に結びつけばいいなという思いをこめて取り組みを進めた。
取り組みをするに当たっては,図書館やインターネットを使って様々な資料を集めたり,授業もこの間だけT.T(ティーム・ティーチング)で行ったりと力を注いだが,やはり初めての取り組みということもあり,様々な問題点も出てきた。例えば,実験の準備物が揃わなかったり,連絡がうまくいかなかったため施設見学ができなかったりというようなことが起こり,生徒が立てた計画が教師側の準備不足で変更せざるを得なかったケースもあった。
しかし,こちらの予想以上に生徒が積極的な動きを見せ,地域の施設や市役所の環境課へ出向いて資料を集めたり,保護者にインターネットにアクセスしてもらって資料を集めたりするなど,教師が集めた以上に資料や情報が集まり,中身の濃いレポートが多数つくられた。
ただ最後の研究発表が,慣れていないせいか,今ひとつ盛り上がりに欠けていたのが残念であった。これについては今後,パソコンを使ってまとめたり,プレゼンテーションソフトを使って,もっと視覚に訴えるような形で発表させることを考えていきたいと思っている。
参考文献
佐島群己編:環境問題と環境教育 国土社 1992 |
佐島群己・堀内一男・山下宏文編:学校の中での環境教育 国土社 1992 |
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