(2) 酸性雨と生物−関西中学生コンクールで佳作を受賞−
 このグループは,高槻市は,国道170号線,171号線,そして名神高速道路と交通量の大変多い道路が多く,また,教科書(啓林館)にも酸性雨により斑点ができた本市のアサガオの写真が掲載されていることから,本市の酸性雨の調査とカイワレダイコンを使って生物への影響を調べる実験を行った。
 <実験1>酸性雨の調査
 実験方法:レインゴーランドという装置を使い,学校の屋上で雨を採取し,pH計を使って測定した。
 結果:
 10月7,13,14,17日の四日の雨を集めることができたが,どの日もpHが7.0を超え,酸性雨は記録されなかった。
 <実験2>カイワレダイコンを使った酸性雨の植物への影響
 実験方法:シャーレに脱脂綿を置いたものを2つ用意し,片方は水で湿らせ,もう片方はレモンの汁を搾って湿らせ,その上にカイワレダイコンの種子を20粒ほどまいた。そして1週間カイワレダイコンの種子の成長を観察した。 (写真9)

写真9
 結果:(写真10〜13)
1日目:水道水の方に少し芽が出てきているものがあった。
2日目:水道水の方は多くの種子から芽が出てきた。レモンの方は変化なし。
4日目:水道水の方は2cmぐらいに育つ。レモン汁の方は変化なし。 
5日目:水道水の方からはたくさんのカイワレが育ったが,レモン汁の方はカビが生えてきた。


写真10

写真11

写真12

写真13

 生徒の様子:このグループは,高槻市では酸性雨の濃度が非常に高いのではないかという予想を立てて調査を行ったが,結果は酸性雨が記録されなかったために「おかしい」と感じていた。特に,6月に1度測ったときにはpH3.4を記録していたことや,市の平成8年度の資料でもpH4.1〜6.9の値であったことから生徒も大いに疑問を持ち,設置場所や器具について見直したり,風向きとの関係なども考えたりしたが,時間の都合により,その疑問は解明されないまま,今後の課題としてまとめられている。また,生物への影響の実験では,レモン汁の方も少しは芽が出てくると予想していたが,まったく芽が出ずにカビが生えて腐っていったことで,「酸性雨の怖さを改めて感じた」という感想を書いている。
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