製作活動をともなう選択理科の教材 −ペットボトルロケットを飛ばそう− |
富士市立富士南中学校 鈴木 康裕 |
「3・2・1・発射!」「ウォー,すごい」
「自分の作ったロケットが空を飛んだということに,とても感動しました。すごくうれしいです。しかし,70m飛んだロケットもあるので,今度は“目指せ50m”です」
1.はじめに
2.授業の実際
(1) 選択理科 金曜日の第5時に選択Aとして選択理科は3コース用意されている。「ペットボトルコース」は第1理科室で25名である。他に「電気工作コース」「植物採集コース」がある。 (2) ペットボトルコース ペットボトルコースとはいえ,1年中というわけにはいかないので,生徒の学習希望の多い「春の野草を見に行こう」「カエルを解剖しよう」「ペットボトルロケットを飛ばそう」「紙飛行機を飛ばそう」「大きな結晶を作ろう」等の課題を年間指導計画に取り組み,本コースを開いた。 (3) 「ペットボトルロケットを飛ばそう」 この課題には9月11日から取り組み,5時間程度の予定で始めたが,製作に手間どる生徒も多く,11時間の現在でも製作途中の生徒もいる。 (4) 製作方法 日本ペットボトルクラフト協会から出されている機体セット(キャップと発射台との接合部品,1000円)のみを生徒は購入,付属の「作り方」を参考に製作した。 (5) 実 験 飛ばし方,遊び方は一切規定しないで,自由に実験させた。始めは飛ぶかどうか,飛んでもどのくらい飛ぶのか,見当もつかなかった生徒であるので,適当に水の量,空気の量を工夫していたが,一度自分で飛ばして以下の感想を持っていた。 「風を切るようにきれいなフォームで飛んだ。70m飛んだときには目が点になった」(K.S),「翼が壊れてしまったので,修理をして今度は50m以上飛ばしたい」(T.I),「船体を少し上に曲げて作った。その方が上に上がり,遠くまで飛ぶだろう」(A.K),「水の量は少なくした方が軽くなるので,飛ぶのではないか」(S.T),「空気の回数をきめてやれば,どの条件のときにいちばん飛ぶかがわかる」(S.T),「水の量は1/4で,空気の回数を10回と35回で実験した。思った通りの結果が出た」(N.S),「水,空気の量を一定にして,誰のロケットがいちばん飛ぶか,やってみたいな」(T.W) (6) 結 果 「ペットボトルロケットを飛ばそう」という学習課題から,生徒は「遠くに飛ばすには」という学習問題を自らみつけた。そして,船体の形,水の量,空気の量をいろいろ工夫し,遊びながら様々な試行を繰り返した。
3.考 察
4.課 題 製作に個人差があり,運動場での大会に参加できなかった生徒がいた。参加した友人から話を聞くだけだったり,「テレビでやっているのを見て,私のロケットも飛ばしたかった」と書いていたり,個人差に対応する時間を設ける必要性を感じた。 |