(4) 露頭の観察と調査
 沖縄本島北部の本校から近い7カ所の露頭を紹介し,観察・調査した結果をレポートにして提出させている。配当時間は4時間で,オリエンテーション1時間,発表準備1時間,発表会2時間となっている。露頭とその特徴は下記の通り。
 1) 名護市瀬嵩・・・しゅう曲
 2) 名護市後原・・・貫入岩と海岸段丘
 3) 名護市底仁屋・・・横臥しゅう曲
 4) 本部町大堂・・・カルスト地形
 5) 本部町備瀬崎・・・不整合とビーチ・ロック
 6) 本部町大石原・・・アンモナイト化石
 7) 本部町崎本部・・・フズリナ化石
(5) 環境調査
 本年度も下記の5つのテーマの中から1つ選び,調査結果をレポートにまとめて提出する。配当時間は課題説明の1時間のみ。
 1) 名護市内の空気の汚れ調査
 2) 川の生物による水質調査
 3) 酸性雨の調査
 4) 電磁波の調査
 5) 紫外線の調査
 <生徒のレポートの一部>(電磁波調査のデータ)
(6) 自由研究(配当時間10時間)
 4月にオリエンテーションを行い,5月にテーマを設定,6月に計画書を作成して,7月に観察・実験方法の指導を2時間設定した。夏休み期間中に研究を行い,レポートを作成,2学期はじめに提出する。また,9月中頃にパネルを作成して作品展に出品の後,11月に授業の中で4時間かけて発表会を行う。
 発表の際には,パソコンやスキャナー,ビデオ,液晶プロジェクターなどを活用し行わせている。また,プレゼンテーション用ソフトは,パワーポイントを使用している。
 <生徒の作成したプレゼンテーションの一部>

3.成果と今後の課題
 本校では,本年度から中間テストと期末テストが一本化され,定期テストは学期に1回だけとなった。そのため,日ごろの学習活動や課題研究の評価点に占める割合が高くなり,生徒は自分の個性を生かし,工夫して学習活動に取り組んでいる。これまで,一生懸命勉強しても,ペーパーテストではうまく得点できなかった生徒が,手の器用さとか情報活用の能力などを生かして,製作物やレポートの課題を完成させ,学習活動に自信を持てるようになった。
 今後の課題としては,課題研究の内容の検討と指導法の工夫,また,生徒自ら課題を見つけだす能力をいかに身につけさせるかが挙げられる。特に,課題研究が増えすぎると,生徒にとって大きな負担となり,ゆとりが失われる。その点に注意して課題を厳選し,内容を十分に工夫・検討したものを,計画的に行わせることが重要である。

 <参考文献>
ハテナ? ナルホド実験室 Quark編
やってみようなんでも実験 NHK出版

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