この星形多角形の先端の角の和を求めることは,「平行線と角」のあとの応用問題として設定している。「平行線と角」の既習事項を用いて多様な見方・考え方をさせ,そのさまざまな解法を図や記号,式を用いて表すために適した題材であると考える。星形多角形の条件として,円周上に5つの点A,B,C,D,Eを適当にとり,Aから頂点を1つ飛ばしで順につないで描いた図形を星形五角形とし,また,円周上の点を6,7,8・・・と増やして,Aから頂点を1つ飛ばしでつないで描いた図形をそれぞれ星形六角形,星形七角形,星形八角形・・・とし,星形多角形とする。ただし,星形六角形や星形八角形などは,一筆描きができないので,1つとなりの点から描き始めてできた図形をさす。本時の課題である星形多角形の角の和は,既習事項である外角を利用したり,補助線を引いたりすることで多くの解法を考えることができる。生徒にとってはなじみのある形であり,取り組みやすい課題だと思われる。解法を考えるにあたり,平面図形の角に関する性質や,三角形の角,多角形の内角の和や外角の和,凹四角形(指導案の中の“くさび形”)の角といった既習事項を活用して,自分の言葉で考えを筋道立てて説明できるようにしたい。
また,本時は青森市から配布された個人用端末chromebookを活用した。Google Classroomに,画面上で自由に書き込みできるCanvasを課題として貼り付け,タッチペンで描きながら星形多角形の先端の角の和を考え,議論させた。結論が出たものに関しては,Google Classroomに提出させ,プロジェクタに投影しながら考えを共有した。
段階 | 教師のはたらきかけ | 予想される生徒の反応と活動 | 評価・留意点 |
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導入 |
1.円周上に5つ点をとり,それらを1つとばしでつなぐとどういう形になりますか。また,どんなことがいえましたか。 |
1. ・前の時間に出てきた星形五角形である。 ・先端の角の和が180°である。 |
・前時に星形五角形の用語についても触れておく。 |
2.先端の角の和が180°になるのはどうしてでしょうか。 |
2.星形五角形の先端の角の和の求め方を確認する。 ①くさび形の図形の角が色をつけた三角形の角に移るので180° |
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②○+×=△+□より色をつけた三角形に移るので180° ③先端の角を含む5つの三角形の内角の和から,図の○5つ分と△5つ分は外角の和2組分なので720°をひく考え。 |
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3.ワークシートの円周上の点を,1つとばしでつないでみましょう。 |
3.実際につないでみる。 |
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4.それぞれの先端の角の和を求めてみますが,すぐに求められそうなのはどれだろうか。 |
4. ・星形六角形と星形八角形は求められそうだ。 ・星形七角形,星形九角形は難しそうだ。 |
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5.学習課題の掲示 |
5.課題をワークシートに書く。 |
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さまざまな星形多角形の先端の角の和を求め,どんなきまりがあるのだろうか。
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展開 |
6.まず星形六角形,星形八角形について考えてみよう。 |
6.星形六角形は三角形が2つ重なっているので |
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7.星形七角形についてはどうだろうか。 |
7. ・間をとって540°になりそうだ。 ・星形五角形のときと同じように考えてみる。 |
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8.手元のchromebookに映された図を利用して,星形七角形の先端の角の和を求めてみよう。 |
8. ・星形五角形のときの①を使って補助線を2本引き,くさび形を3つつくると五角形の内角の和に等しくなる。 180×(5-2)=540°
180°+360°=540°(三角形ACFと四角形BDEG)
180°×7-720°=540° |
評価1 既習事項をもとに星形七角形の先端の角の和を求め,説明することができたか。(発表) |
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9.どの方法が1番考えやすいですか。 |
9. ・②が一番簡単そうだ。 ・③はnが大きくなっても求められそうだ。 |
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10.星形多角形の先端の角の和を表に整理し,nを使った式で表してみよう。 |
10. ・多角形の内角の和 ・星形多角形の先端の角の和 |
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まとめ |
11.今日の授業のまとめをしよう。 |
11.ワークシートにまとめを記入する。 |
評価2 自分で選んだ方法で星形九角形の和を求めることができたか。(発表)
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星形多角形の先端の角の和は,多角形の内角の和と同様に180°ずつ増えていく。星形n角形の先端の角の和は180×(n-4)で表すことができる。
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12.星形九角形の先端の角の和を求め,説明してみよう。終わったらGoogleドキュメントで授業の感想を記入しよう。 |
12. ・180×(9-4)=900 ・③を使って星形の先端を含む三角形が9つあり,内部にある七角形の外角の和2つ分ひくと求められる。 900° |
本時で扱った星形多角形に関わらず,複雑な図形の角度を求める問題をプリントで行おうとすると,補助線を引いたり,さまざまな記号をつけたりしながら,間違えたら消しゴムで消す作業の繰り返しになりがちだが,ICT機器を活用することで,無駄なくさまざまな方法で考えさせることができた。また,Google Classroomを活用することで,他の人の解法を簡単に共有し,感想記入まで行うことができた。
生徒の感想の中には,「他の人の説明で自分と違う視点からの求め方を見ていろいろなやり方を知ることができました。」「chromebookを使うことで自分の描いた図をそのまま使って説明でき,相手に自分の意見を伝えやすいと感じました。」という感想があり,ICTを活用することに対する肯定的な意見が多数みられた。図形領域に関わらず,どの領域でも積極的にICT機器の活用を継続して取り入れることで,主体的・対話的かつ深い学びが実現できると感じた。
(資料①)
(資料②)
(資料③)
(板書)