新宿区では,平成22年度から校務イントラの導入に伴い,職員室では各教員にPCが1台ずつと共用PCが2台,各教室・特別教室の黒板をホワイトボードに変更し,ICT教卓,プロジェクターとPC,実物投影機,数学科ではデジタル教科書,他のソフトも導入されている。ICT機器・デジタル教科書・動画等を活用して授業を実践し授業改善に取り組んでいる。
本校では,習熟度別少人数制の授業に取り組んでおり,基礎・基本の定着を図るため,一人一人の学習のペースにあわせた習熟度別学習を取り入れている。少人数学習では1クラス2展開を実践している。毎回定期考査の結果と本人・家庭の希望により見直しを図っている。さらに,単元が進行するごとに,基礎コースへの変更を希望する生徒もおり,単元ごとに見直しを図っている。通常の一斉授業より一人一人に目が届き,生徒が学習内容を理解し,分かる・できるという体験が増え,基礎コースでも活発に発言をし,発表活動に取り組んでいる。また,ICT機器を活用することで生徒の興味・関心が高まってきている。
一般コース・基礎コースともまとめとして,自己評価カードに今日の授業の自己評価をさせて本時の学習を振り返らせ,よく分からなかった部分を書いたら,次の授業時で再度説明をしなおすようにしている。
空間における直線や平面の関係については,小学校では直方体などの具体的な立体に関連して扱われている。中学校では,具体的な空間図形の考察を通して,一般的に,空間における直線や平面の位置関係について理解できるようにする。次に,平面図形の運動によって立体が構成されることを理解できるようにし,さらに,立体の平面上への表し方や立体の表面積や体積の求め方を考えることにより,空間図形に対する見方やとらえ方を豊かにしていく。
指導にあたっては,観察などの直感的な活動や具体物を用いた捜査活動,動画やデジタル教科書を取り入れ,立体に親しませながら学習を進め,立体の面積と体積の公式を活用できる力をつけていきたい。
図形を観察,操作や実験を通して考察し,空間図形についての理解を深めることができるようにする。
毎時間ごとに実施することは,本時のねらいを説明することと,今日の授業につなげるために既習事項(この中に東京ベーシック・ドリルの正答率が少ない問題も含む)を復習することである。さらに,興味・関心を引き出し分かる授業を,デジタル・アナログと混ぜながら授業を進めている。特に基本コースでは,分からないという声が多く出てくる。そのため,くどいほど繰り返し指導している。ここでは,立体の表面積についての指導の流れである。
段階 | 学習内容 | 指導上の留意点・評価 | ICT機器・資料等 | 場所 | 形態 |
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導入 | 本時のねらいを説明する。 ・立体の表面積や体積を求めることができる。 既習事項・おうぎ形の弧の長さや中心角の求め方の公式を理解しているか復習する。 ・公式を張り出す。 |
・挙手をして,答えさせる。(発言及び挙手をしたら名簿に○付けさせる) |
提示 |
学習室 | 一斉 |
展開 | 問題提示 「底面の半径が3cm,母線の長さが9cmの表面積を求めなさい。」 |
・図から等しくなる長さはどこか確認する。 ・計算が進んでいない生徒の指導をする。 ・挙手をさせ,指名し途中の式も書かせる。 ・分からない生徒には,再度説明する。 |
生徒は教科書,デジタル教科書で提示
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まとめ |
・数学用語や公式を説明する。 ・本時の学習内容をまとめる。 |
新入生の授業開きの時に,自己紹介とともに必ず聞くのが小学校の算数でどこが苦手だったかである,おおむね「割合計算」「文章題」「分数」などの声があがる。中1の段階で分数の計算,割合計算を確実にできるように指導していくことが重要である。
授業が進むごとに「勉強がよく分からない」という生徒は,何がわからないのか,わかるためにどこから勉強したらよいのか分からずに,学習が停滞してしまう。このような状況を改善しようと,東京都教育委員会より小学校向けに小学校4年生までの国語・算数・理科・社会の4教科の学習内容が配信されたので,そのドリルを使い中学校全クラスで実施し,どこから間違いをしているのかを個人カルテ式にまとめようと考えた。
この個人カルテを活用することで,個に応じた指導ができ,授業の中で既習事項の説明や家庭学習ノート(本校では校内研修での講師の先生の講話からボーナスノートと名付けた)でも,数学科として生徒に対してこの部分をやってみなさいと助言でき,どこでつまづいているかの支援につながると考えた。
【具体的な活用場面】
1年生基本シート(診断)A1
東京都教育委員会 小学校向け東京ベーシック・ドリル 1部抜粋
*保護者への配布プリント (PDF:111KB)