教科書で「,」ではなく「、」を使っているのはなぜですか?
A.
令和2年度用教科書までは、1952年に通知された『公用文作成の要領(国語審議会建議)』の『句読点は,横書きでは「,」および「。」を用いる。』にしたがい、教科書でも「,」と「。」の組み合わせで表記していました。
その後、2022年に通知された『公用文作成の考え方(文化審議会建議)』で『句点には「。」(マル)読点には「、」(テン)を用いることを原則とする。横書きでは、読点に「,」(コンマ)を用いてもよい。ただし、一つの文書内でどちらかに統一する。』とされたため、令和6年度用教科書では「、」と「。」の組み合わせで表記を統一しました。
植物には、「生長」ではなく「成長」を使っているのはなぜですか?
A.
教科書で使用している専門用語の表記は、原則として文部科学省の『学術用語集』にしたがっています。
「せいちょう」については、以前の『学術用語集-植物学編-』では「生長」、『学術用語集-動物学編-』では「成長」と記載してありましたが、改訂を経て、現在の『学術用語集』ではどちらも「成長」に統一されています。(ちなみに、どちらも英語の「growth」に対応した用語になっています。)
一般の辞書では、「生長」と「成長」を使い分けているものもありますが、教科書では、現在の『学術用語集』にしたがって、どちらも「成長」としています。
「予想」や「計画」などの見出しがあるところと、ないところがあるのはなぜですか?
A. 「予想」や「計画」などの話し合いの場面は、一律に、すべての問題解決の過程で設定するのではなく、授業時数や内容、発達の段階などに応じて、効果的な場面を選び、設定しています。
「ふり返ろう まとめノート」は、どのように使用すればよいですか?
A. 単元の学習を、振り返って、整理・まとめるときの見本として、ご活用いただいていることが多いと思います。各項目に、チェックボックスがついているため、単元の内容の理解・定着の確認としても、ご利用いただけます。
QRサイト(の一部)にアクセスできません。
A.
自治体や学校の設定により、登録されたサイト以外へのアクセスが制限されていることが考えられます。下記サイトへのアクセスを許可(ホワイトリストに登録)いただくよう、システム管理者の方にご相談ください。
・k-qr.com ・digi-keirin.com
・vimeo.com ・shinko-keirin.co.jp
※このほか、個別の外部Webサイト(「NHK for School」等)へのリンクがございます。
何度もQRコードを読み取るのが大変です。便利な活用方法はありますか?
A. 教科書の表紙のQRコードを読み取ると、各学年のQRサイトのトップ画面(もくじ)が表示され、すべてのQRコンテンツをご使用いただけます。このトップ画面をブックマークしたり、デスクトップにショートカットを作成したりすると、便利です。
QRコンテンツの一覧はどこで見ることができますか?
A. 教科書の表紙のQRコードを読み取ると、各学年のQRサイトのトップ画面(もくじ)が表示され、すべてのQRコンテンツをご確認いただけます。また、トップ画面の「もくじ」の下にある「コンテンツ一覧 PDFを表示」をクリックいただくと、コンテンツの一覧を示したPDFをダウンロードいただけます。
KEIRINKAN Portal(啓林館ポータル)とは何ですか?
A. 指導書に付属する指導用データや画像、ポータル限定の資料などをWebサイトからダウロードいただけるサービスです。指導書をご購入いただいた学校の先生方が追加費用なしでお使いいただけます。詳しくは、指導書朱註編p.2をご確認ください。
【p.13】
虫眼鏡の使い方で、「動かせるものを見るとき」も「動かせないものを見るとき」も、どちらも「虫眼鏡を目の近くで持つ」となっているのはなぜですか?
A.
「動かせないものを見るとき」の虫眼鏡の使い方には、
(1)虫眼鏡を目の近くに持って自身が動いて観察する方法
(2)虫眼鏡を動かして観察する方法
の2つの方法があります。どちらも間違いではありませんが、虫眼鏡と目との距離が近いほうがより広い視野で観察できるため、教科書では(1)の使い方を掲載しています。
また、(1)の使い方は、中学校で学習する高倍率のルーペと同じ使い方になるため、接続を考えてこのような表現にしています。
【p.18】
「たねをまこう」単元で、ホウセンカとヒマワリを掲載しているのはなぜですか?
A.
教科書では、夏生一年生の双子葉植物で、発芽率が比較的よく、育てやすいホウセンカとヒマワリを扱っています。このほかにも、学校や地域の状況に合わせた植物の栽培・観察が考えられます(指導書でご提案しております)。
なお、令和2年度用教科書では3種類の植物で比較を行っておりましたが、令和6年度用教科書では、3年生の発達の段階でも育ち方を比較しやすいように、メインの植物は2種類で構成しています。
【p.8,26,66】
昆虫の学習の指導時期について教えてください。
A.
学習指導要領B(1)「身の回りの生物」の内容は、観察できる昆虫の時期に合わせて「生き物をさがそう」「チョウを育てよう」「こん虫のかんさつ」の3つの単元で扱っています。
ただし、地域や気候によって時期が前後することがございます。教科書や指導書に表記にこだわらず、地域の特性に適した昆虫を、適した時期に観察するとよいでしょう。
【p.108,150】
学習指導要領A(3)「光と音の性質」の単元が分かれていますが、なぜですか?
A. 1つの単元における学習する内容量を考慮し、「光のせいしつ」と「音のせいしつ」に単元を分けました。
【p.161】
「ものと重さ」単元は、算数の「重さ」の学習と関連はありますか?
A. 「ものと重さ」単元は、3年算数の「重さ」の学習よりも後に実施できるよう、3学期末に配当しています。また、「算数のまど(p.180)」で、単位の読み書きなどを確認できるようにしています。
【p.16】
「季節と生き物」単元で、ヒョウタンを栽培するのはなぜですか?代替可能な植物はありますか?
A.
以下の理由から、教科書ではヒョウタンを掲載しています。
(1)蔓の伸びがはかりやすい・・・ヒョウタンは太い茎がまっすぐに伸びるため、茎の伸びをはかって、季節と成長の関係を調べる4年の学習に適しています。
(2)場所を選ばず栽培できる・・・プランターなどの狭い場所でも栽培できるため、栽培場所を選びません。
(3)5年の学習につながる・・・4年でヒョウタンの生命のサイクルを学習しておくと、5年でヘチマを用いて受粉実験を行い生命のサイクルを学習する際に、既習事項として活かすことができます。生命領域の見方(共通性・多様性)をはたらかせ、ヒョウタンとヘチマを比較して、より深く思考できます。
(4)STEAM教育にもつながる・・・ヒョウタンは実を収穫した後、工作したり絵をかいたりして楽しむことができるため、STEAM教育にもご活用いただけます。
なお、代替可能な植物には、ヘチマやツルレイシがあげられます。
【p.33】
実験1の調べる土の種類について、学習指導要領解説では「教材園」が例にあがっているので、砂利ではなく教材園の土に変更してもよいですか?
A.
教材園の土は、粒状の鉱物由来以外(生物由来)のものも多く含まれており、粒の大きさの見極めが難しいだけでなく、砂よりも吸水も透水も早いものがあるなど、実験には扱いづらい可能性があります。
一方で、校庭の土と砂場の砂の2種類だけで、「粒が大きくなるほど水がしみ込みやすくなる」と結論づけるのは、4年生とはいえ、科学的な手法として不十分であるため、教科書では、比較結果の得られやすい「砂利」を使用し、「校庭の土」「砂場の砂」「砂利」の3種類にて、実験を設定しています。
【p.40~41】
教科書に掲載されている簡易検流計の切りかえスイッチは「1A」と「5A」ですが、学校にある簡易検流計の切りかえスイッチは「0.5A」と「5A」です。どのように実験をしたらよいですか?
A.
切りかえスイッチが「0.5A」と「5A」の簡易検流計で実験を行う際は、「5A」側にスイッチを入れて実験を行うことが望ましいです。
p.41の実験1では、乾電池1つをつなげたときの電流の大きさを調べるため、結果は0.3A程度になります。この場合は、簡易検流計の切りかえスイッチは「0.5A」でも「5A」でも実験可能です。しかし、その後のp.45の実験3で、乾電池2つを直列つなぎにしたときの電流の大きさは0.6A程度になります。その場合は、切りかえスイッチが「0.5A」側だと針が振りきれてしまいます。実験1と実験3で切りかえスイッチを変更すると混乱を招く可能性があるので、単元を通して「5A」側で実験を行っていただくのがよいかと思います。
なお、教科書では、実験3での結果で「0.3A」と「0.6A」の目もりの違いが読みやすいように「1A」の切りかえスイッチがある簡易検流計を掲載しています。
【p.42】
検流計の針が電流の向きと反対に振れてしまいます。
A.
教材メーカーから販売されている検流計は、大きく分けて2つの種類があります。
(1)電流の流れる向きに針が振れるタイプ(小学校向けに開発されたもの)
(2)電流の流れる向きと逆に針が振れるタイプ
教科書では、発達の段階を考慮して4年生の児童が電流の向きをイメージしやすい(1)のタイプの簡易検流計を掲載しています。
どちらのタイプの検流計でも実験を行うことが可能ですので、学校にはどのような検流計があるのか事前に調べておくとよいでしょう。
【p.107】
アブラナは栽培したほうがよいですか?
A. ヒョウタンなど春に種をまいて秋にかけて成長する植物の栽培に加え、アブラナなどの秋に種をまいて春に花が咲く植物を栽培することで、生命の共通性・多様性への理解が深まります。また、5年の初めに、アブラナの観察が設定されているので、その準備にもなります。
【p.8~13】
「花のつくり」の単元で、アブラナを観察するのはなぜですか?
A.
春にアブラナ科の植物を観察しておくと、次の2点のような理由から、「花から実へ」単元の学習時に生かされると考えられます。
・アブラナは両性花なので、1つの花で、めしべやおしべなど、花のつくりのすべてを観察できる。
・アブラナは、1つの株で、花(株の上部)から実(株の下部)への流れを実感できる。
なお、代替可能な植物には、タネツケバナやナズナのようなアブラナ科の野草があげられます。アブラナ科の植物の花期が指導時期と合わないときは、春はツツジ(教科書p.10)で、両性花の花のつくりのみを観察することも考えられます。
【p.81】
「花から実へ」単元の受粉実験の植物として、ヘチマを扱っているのはなぜですか?代替可能な植物はありますか?
A.
「メダカのたんじょう」単元で、雄の精子と雌のたまごとが受精して、子メダカが誕生することを学んでいます。既習内容を受けて、メダカと同じように、雄花の花粉が雌花に運ばれて受粉することがわかりやすい単性花のヘチマを主教材にしています。
代替可能な植物として、受粉実験に適した単性花の植物は、オモチャカボチャやツルレイシなどがあります(教科書p.13の「別の方法」)。ヒョウタンも単性花の植物ですが、夕方に開花するため、学校の授業では扱いにくいことが考えられます。
なお、両性花でのアサガオを使った受粉実験は、教科書p.83「理科の広場」で紹介しています。
【p.13,72~87】
ヘチマを栽培するコツを教えてください。
A.
ヘチマの花をたくさん咲かせるには、「摘心」と「水やり・追肥」を工夫することが大切です。
(1)摘心
・植え替え後、1~2週間ほどで、親づるの先端を切る(1回目の)摘心を行う。
→3回程度の摘心であれば、成長を阻害することなく、摘心の回数に比例して、花の数を増やすことができる。
(2)水やり・追肥
・梅雨を過ぎれば、水やりは毎日行う。7月下旬から9月の日照りの時期は、1日2回(朝・夕)、水量も増やして、水やりを行う。
・花が咲くまでは、液体肥料を1週間に1回程度、窒素・リン酸・カリウムの3要素が入った粒状の肥料を、2週間に1回程度与える。花が咲いてからは、それぞれの追肥の回数を増やすとともに、リン酸系の肥料を別途、追肥すると、花の数を増やして、花期を長くすることにつながる。
おばなが咲き始めてから、長いときは、1か月以上たってから、めばなが咲き始めます。おばなの数に比べて、めばなの数はとても少ないですが、上記のような工夫で、一定数のめばなが咲き続けることが期待できます。
【p.14~31】
「雲と天気の変化」単元が、1学期に配当されている理由を教えてください。
A.
令和2年度用教科書では、5年での気象災害や備えは、夏休み前の「台風と気象情報」から取り上げていましたが、それよりも早い時期での大きな水害も発生してきました。
そこで、令和6年度用教科書では「雲と天気の変化」単元を春へ移動し、学年の早い時期から「with the Earth(p.24~27)」で、防災・減災、自然からの恵みへの意識を高めることができるように改訂しました。
また、1年を通して、季節に応じた防災・減災、恵みの視点を育むことができるように、「くらしとリンク(p.30~31)」で、日本の四季の天気の特徴を紹介しています。
【p.105】
流れる水と地面のようすを調べる実験で、流水実験器を使うポイントを教えてください。
A.
この実験は、令和2年度用教科書では校庭の土山での実験をメインに扱っておりました。しかし、最近は土山がある学校が少なくなっているというご意見から、令和6年度用教科書では、理科室でできるモデル実験をメインに改訂しました。
モデル実験のポイントは、次の点があげられます。
(1)実験器具のスケール
流水のモデル実験は、スモールスケールになるほど成功率が下がります。土を入れる容器は、バットではなく、プランターの受け皿などある程度大きなものを用いることで、実験の成功率を高めることができます。
(2)土選び
粒の細かいものを用いるとよいです。教材会社に流水実験専用の砂の取り扱いがございますので、よろしければご検討ください。
(3)土のコンディション
実験は、土を霧吹きなどで十分に湿らせてから行ってください。土が乾いたままだと、流した水が土にしみこんでしまい実験がうまくいきません。なお、教科書p.105に示している実験の手順では、手順③で土を湿らせていますが、土の種類によっては、手順①の流路(溝)を作る前に、土を十分に湿らせると、流路が作りやすくなるものもあります。予備実験で確認をお願いします。
実験方法の詳細は、指導書 研究編p.129にございますので、ご確認いただきながら予備実験の実施をお願いします。
【p.29】
だ液のはたらきを調べる実験で、だ液を加えたほうでも、ヨウ素液の色が変わりました。
A.
だ液が、でんぷんの液を消化しきれていないことが原因と考えられます。次の点を改良してみてください。
・だ液を綿棒に十分にしみこませる。
・マイクロチューブをあたためる時間を長くする。だ液が最もよくはたらく体温程度の温度を保つよう、しっかり手であたためる。
・でんぷんの液が濃すぎるとだ液による分解に時間がかかるため、適切な濃度のものを用意する。
・マイクロチューブに入れるでんぷんの液量を減らす。
【p.60】
植物の葉のでんぷんを調べる実験がうまくいきません。
A.
うまくいかない理由はいくつか考えられます。
(1)日光を当てた葉なのに、ヨウ素液で色が変わらなかった。
・日光がよく当たっていなかったのかもしれません。実験はよく晴れた日に行い、周りの建物などの日陰になっていないか確認してください。
・ヨウ素液が古くなっていると、反応が出ない場合があります。
(2)日光を当てなかった葉が、ヨウ素液で色が変わった。
・葉をアルミニウムはくでしっかり覆えておらず、光合成してしまったことが考えられます。
・転流される前に実験を行ったことが考えられます(暗い時間が短い)。
なお、植物を使っての実験となりますので、当日の天候や植物の状態が実験結果に影響することがあります。
【p.94】
「水よう液の性質」単元を、9月から配当しているのはなぜですか?
A.
夏休み後の気温が比較的、高い時期に配当することで、水溶液と金属の反応の実験の結果が得られやすいようにしています。
気温(液温)の低い時期での水溶液と金属の反応の実験は、時間がかかるだけでなく、結果も得られにくい傾向があります。また、強制的に液温を上げる場合は、気体の吸入の面からも、十分な換気がより大切になります。外気温が高めの時期であれば、窓を開ける換気にも抵抗感がないため、換気の徹底の面でも、気温が比較的高い時期での実験をおすすめします。
【p.97】
過去の教科書では、実験に用いるアルカリ性の水溶液として「水酸化ナトリウム水溶液」が扱われていたと思いますが、令和6年度用教科書では「アンモニア水」「重曹水」を扱っているのはなぜですか?
A.
安全配慮が主な理由です。
「水酸化ナトリウム水溶液」は、生体組織を腐食する性質があるため、万一、目に入ったり皮膚に暴露したりすると危険です。また、希釈を誤ると(5%以上の溶液)、その製剤は劇物扱いであり、蒸発乾固したときの濃い溶液もまた危険です。安全面を考慮し、全員が行う実験設定ではなく、「理科の広場」での紹介に留めています。
これに対し、「アンモニア水」は、気化したアンモニアを吸引する危険はありますが、発生量はごく少量であり、水酸化ナトリウム水溶液に比べてリスクが小さいこと、さらに「気体がとけているアルカリ性の水溶液があることを学ぶ意義」を総合的に判断し、採用しました。
また、「重曹水」はpH8~9程度の弱いアルカリ性の水溶液で安全性が高く、生活の中でも重曹水クリーナーなどで使われるような身近な物質です。固体がとけているアルカリ性の水溶液として、「うすいアンモニア水」とも対照的に学習できる点もメリットのひとつです。
【p.117】
月の位置と形の変化のモデル実験の方法が変わったのは、なぜですか?
A.
これまでの教科書で示していた、教室全体を使って、中心に2名程度の子どもたちが入れ替わりながら、8つの位置の月の見え方を調べる実験には、クラス全員の子どもたちが授業時間内に観察することが難しいという課題がありました。
そこで、令和6年度用教科書では、タブレット型端末を活用し、グループごとに実験台で行える方法に改訂いたしました。実験方法の詳細は、指導書(朱註編p.137、研究編p.142)をご参照ください。
なお、従来の教室全体を使った実験方法は、教科書p.117「別の方法」で紹介しています。
【p.183】
「発電と電気の利用」単元でのプログラミングの扱いについて教えてください。
A.
教科書p.183のQRコンテンツに、無償で利用できるプログラミングシミュレーターをご用意しております。このQRコンテンツを使用することで、実機がなくてもプログラミング活動を行うことができます。
また、実機を用いての活動例は、教科書p.185から掲載しております。すでに学校にある実機でも活動できます。
詳しい指導のポイントは、指導書研究編p.216~219や、総説p.108をご覧ください。