2つの数AとBのたし算「A+B」で,前の数Aのことを被加数といい,後ろの数Bのことを加数といいます。
加数分解・被加数分解とは,繰り上がりのあるたし算において,どちらの数を分解して計算するかという方法のことを指します。文字通り,加数分解とは,次のように加数を分解する方法です。
一方,被加数分解とは,次のように被加数のほうを分解して10をつくります。
この他に,加数,被加数とも5といくつに分解して,その5 同士で10をつくるという方法もあります。五二進法といわれているものです。また,素朴な方法として,例えば,8+3 を9,10,11と数え足しによって求める方法もあります。
加数分解,被加数分解の方法とも,一方の数の10に対する補数を考え,もう一方の数を補数分と残りいくつと捉えるという点では,考え方は同じです。指導では,加数と被加数の大きさを見て,小さいほうを分解すればよいという考え方もあります。しかし,児童に一定の計算技能として定着させるには,1 つの方法で計算させるのが有効です。被加数を固定し,加数を分解する方法が「加える」という操作ともマッチします。