式とは,数量の事柄や関係を数学で決められた記号を用いて表現したものです。事柄や関係を簡潔に明確に,しかも一般的に表現できるというよさがあります。式は形式的な処理が容易で,式を処理することによって,結果や新しい関係を生み出すこともできます。
式に用いる記号については,次のように分類することができます。
・対象記号………(3,5,xなど)
・操作記号………(+,-,×,÷など)
・関係記号………(=など)
また,関係記号を使っているかいないかで式を区別することがあります。
1. 4+5
2. 4+5=9
1.のような式を「フレーズ型の式」,2.のような式を「センテンス型の式」とよんでいます。児童は,式として表示するとき,「4+5=」とすることがありますが,これは,式とはいえないので注意が必要です。
式については,第1学年より指導されますが,式は,答えを出すためのもの,あるいは,計算を示すものというような捉え方をする児童が多いようです。しかし,式は「算数の言語」であるという見方で,式の持つよさを十分感じとらせるような指導が大切です。
そのためには,文章でかかれた問題から立式する学習の場とともに,式から文章の問題をつくる学習の場(作問)も重視しなければなりません。前者は,「式に表す」指導であり,後者は,「式をよむ」指導ということができます。今後,式をよむ指導の充実を図っていきたいものです。