ある量の大きさを,数値に単位をつけて表したものを名数といいます。
名数には,1枚,2羽,3冊,10個,100台などのように,日常生活で物を数えるときに使う場合から,1m,2kg,3cm2,10L,24時間などのように,物の長さ,重さ,広さなどの大きさを測定したときに使う場合まで,いろいろあります。前者の「枚」,「羽」,「冊」,「個」,「台」などを助数詞といいます。助数詞の扱いについては,あまり厳密性にこだわることはありません。
名数に対して,1,2,3,……のように,何もつけていない数のことを無名数といいます。また,無名数の「いち」,「に」,「さん」というような読み方を数詞といいます。「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」……も,日本で古くから使われている数詞の一つです。
事物の表現で,目的に応じて名数にすることは当然ですが,式については議論の対象となります。
名数による式「5匹+3匹」のことを名数式,「5+3」のように名数によらない式のことを無名数式といいます。
教科書では,最初の式を導入する段階から無名数式を用いています。
式は,日常の事象を数の世界へ抽象化したものであるという考えから,無名数式に慣れさせる指導に終始しています。また,名数式ではいけないというわけではありませんが,名数式では,式が複雑になります。しかし,答えについては,名数で答えることが必要です。
また,第2学年の「長さ」以後,cm,dLなどのような単位のついた量の関係を式にかくとき,特に,2 L 3 dLのような複名数では,当然,単位は省けません。