数を学習する初期の段階では,数のイメージを形成することが大切です。そのために数図ブロックを用います。数図ブロックとは,厚みのある正方形のブロックの表面に,数図の○を表示したものです。
1つ1つを自由に動かすことができるので,数の操作に有効な教具です。しかも,いくつか並べ合わせると,それは数図と一致します。
数図とは,数を一目で捉えられるように図式化したもので,教科書では次のようなものを用いています。
教科書のような数図の他にも,トランプやさいころの目も数図の一種と考えられます。数図では,○1個を数の1として表しています。数図では,この○の配列の仕方が児童の数のイメージの形成に重要な役割を果たします。一般に,児童が一目で直観的に捉えられる数は5だといわれています。1列に10個配列した場合は,7や8の区別が一目でつきにくくなることが予想されます。したがって,上の数図のように,上段に5個,下段に5個配列するのが効果的と考えられます。
数図を,さらに抽象化(記号化)したのが数字です。数図は,数字と具体物の間を結ぶ半具体物としての役割を果たします。指導では,この三者の結びつきを図るような場を設定することが必要です。