小学校 教科書・教材|知が啓く。教科書の啓林館
英語

Blue Sky elementary教科書を用いた高学年の英語授業
〜個に対応する実践と習熟度別指導の可能性〜

慶應義塾幼稚舎教諭 伊藤 扇

1.はじめに

新型コロナウイルス感染症の拡大でマスクをしての学校生活から2年が経ちました。長期休校で遠隔授業による指導法を模索した頃と違い,2021年度は感染予防策に則って「学校でできること」を考えながら授業が始まりました。私学である本校では1874年の創立以来,英語を専門に教える「専科教員」が授業を担当していますが,英語独特の「音」を楽しんで進むはずの学習がマスクによって困難となり,友だちとの関わりやゲーム活動も厳しく制限されました。その中で高学年の主たる英語教科書として啓林館の『Blue Sky elementary 5と6』が導入され,他の2つの補助教材(フォニックスに関するものと本校独自の検定プログラムに基づくもの)と共に3本柱のカリキュラムが本格的に始まりました。

主たる教科書を持つことによって,「小学生が目指すべき言語スキルの目標が明示された」点は大きな変化です。低学年から慣れ親しんだ英語学習ですが,成長と共に「外国語」である英語に対して警戒心を持ち,「上手にできない」「間違えたくない」など,高学年特有の心理的なハードルが上がります。その反面,「知ること,分かること」に大きな喜びを感じ,具体的に物事を捉え,周囲を見渡す力がついて来るのが高学年です。特に,6年生は中学に向けて「英語は大切だ」という自覚や,「グローバル社会」への漠然とした憧れと使命感を持つようになります。英語を「読むこと」と「書くこと」を段階的に導入し,高学年の「指導の系統性を確保」(文部科学省『外国語教育の抜本的強化のイメージ』2020)できるのは教科書があるからだと感じます。

また,「デジタル教科書の音声と動画が子どもの学習意欲に強く働きかける」点は注目すべきです。PCを使用していた頃と違い,教師がiPadで教材をスクリーンに提示できるので,利便性と同時に,「子どもの学習のタイミングに合わせる」ことができます。教室を巡回しながら前方に学習内容を示し,児童の理解を確認してから「次はチャンツを歌いましょう」とテンポ良く進行させることができます。Unit導入時の動画では「ここでは誕生日を尋ねたり,答えたりしますよ」とか,まとめの動画Did You Know?のコーナーでは,「こんな看板を見たことがありますか」と意見を出しあった後,英語だけで説明される動画を見て,「なんて言っていたかな」と自然な流れで異文化理解を促す機会を作れます。Blue Sky elementaryは「活動の幅に自由度がある」という点が本校6年生の『習熟度別指導』に適しており,以下の実践事例でも紹介している通り,個々の学習者の「個人差に対応する教材と活動」が可能になりました。同じ教材をどのように指導すると子どもの学習意欲に働きかけることができるのか,英語の専科教員として日々最大限の力を注いで授業を実践しています。

2.実践事例

(1)デジタル教科書の効果的な活用例

①第6学年「日本各地の紹介」(2021年5月実施)

Unit 2 “Welcome to Japan.” では最初の見開きに日本各地の紹介があり,6年生は興味津々です。「ここ,知ってる!」「僕,行ったことがある!」と様々な反応が起こり,地名や建物,行事の名称を確認した後,Listen and Guessに挑戦,デジタル教科書になって活動のテンポが格段に良くなりました。Blue Sky elementaryのリスニング活動はまとまった文章を聞くので,難易度が高い印象を持ちますが,音声には必ず文脈が与えられており,6年生は好奇心や「ワクワク感」をくすぐられるのか,集中して聞く姿勢が見られます。1回目の音声の後,子ども同士で「聞き取れたこと」を共有し,同時に教師が「こんなキーワードがあったね」と提示すると,「もう一度聞きたい!」という声が返ってきます。先ず「大意を掴む」体験をし,聞いて分かる「語彙を知る」ことで,限られた言語知識でも内容を類推する力が発揮されます。単に正解を求められる活動と違い,子どもたちは興味をそそられ,学習意欲につながるようです。2回目の音声では紹介された語彙が出てくるたび,「なるほど,この単語を言ってるね」という納得の表情で頷きながら聞いていました。

後述しますが,本校では4年生以上の1学級36人を三分割し,12名ずつ3つのグループで英語授業が行われています。担任とは別に3人の英語教員が同時に付き,少人数にすることで子どもたちの発話の機会を確保しています。近年は6年生を「緩やかな習熟度別」に編成している為,各グループによって「扱うテーマは同じでもアプローチが異なる」活動になり,内容や進度は担当教員に任されています。私が1学期に受け持ったグループはIntermediateで,Unit 2の仕上げとして「自分が担当することになった地域について調べ,ワークシートに英語で書き,発表する」という活動をしました。見開きで紹介された地域に加え,本校と縁のある地域や修学旅行の行き先などを入れ,くじ引きで担当を決めました。リスニングで聞いた内容を活用したり,ご当地名物や観光名所を調べたり,教員は個別に子どもをサポートして準備を進めます。「英語で表現する」ハードルは決して低いものではありませんが,「英語で伝えたい」という子どもの熱意は大変強いと感じます。「話す(発表)活動」では声の大きさ,視線,英語らしい発音とリズムに気をつけて取り組むことができました。

資料1:日本の地域紹介・リスニングに出てきた語彙と担当地域例

同じUnit 2でもグループによっては異なるアプローチをします。Beginnerでは教科書で基本となる表現を学び,それを「自ら使ってみる」ことに重点が置かれます。「型」となる表現を学んだ後,発話練習で音と意味を理解し,自分が紹介したい地域を話し合って決めました。その地域について「型」を参考に英文を書き,読み方を確認して発表します。英語に対して苦手意識を持つ子がいるグループですが,イラストの挿絵を一生懸命に工夫し,読み方を何度も確認して本番に臨んでいました。本番は録画して他のグループの担当教員も参照できるようにし,全児童の成長を共有しています。本校6年生は英語の得意・不得意に拘らず,学習テーマの「仕上げ」として短い発表を4年生から行っており,「6ヵ年持ち上がり制」の互いをよく知るクラスメート同士なので,「話すこと(発表)」への抵抗感は少ないのだと感じます。

資料2:Beginnerグループの日本紹介ワークシート

②第5学年「道案内」(2022年1月実施)

Unit 7 “Where’s the park?” では見開きに様々な動物が隠れていて,それを探す活動から始まりました。家具や物の後ろなど意外な所に尻尾や身体の一部が見えるので,「いたいた,ここだよ!」「え?最後の一つが見つからない」と声が上がります。いざ見つけると「英語でなんて言うかな」と考えさせ,子どもたちから発話するよう導きます。
Unitの導入時にはLanguage Formを教えるよりも,目の前の場面を見ながら「音を声に出してみる」体験が大切です。その際「正解は一つではない」「間違いを恐れずに発話して良い」という空気を作ります。 “Where’s the monkey?” “It’s … on …う〜ん,sofa!” 即座に単語が出てこなくてもタイミングを見てヒントを差し伸べます。「でも,クッションの下に隠れてるよ」と声が上がります。どちらも正解だと大きなジェスチャーで応え, “That’s right! It’s ON the sofa, and it’s UNDER the big cushions! How many cushions can you see? One, two, three, four, FIVE cushions. So many!” とイラストから次々と表現が可能であることを示します。続いて “Where’s the snake?” と声をかけると,「ドアのところ!It’s …なんだろう,near the doorかな」「でも,ドアの後ろだよ,後ろってなんだっけ?」子どもたちが口々に言い合います。そこで教師は “Yes, it’s NEAR the door. Actually, it’s BEHIND the door.” と出来るだけ英語に触れさせ,音を倣うように導き,新しい語彙を強調して実際に扉の後ろに立つなど,物理的な位置関係とbehindという英語の「音」を理解させます。

このUnitの仕上げではPart 3の地図を用いて二人一組で道案内に挑戦しました。その際,デジタル教科書の「書き込み」機能を使い,子どもたちが自分の目で行き先を考えながら発話できるように工夫しました。いざ英語が出てこない体験をしながら教師がヒントを提示し,iPad上で描かれるルートをTVスクリーン上で追っていきます。教科書には無い “Walk two blocks.” なども交えて紹介し,既習表現を手書きして応用するよう促します。はじめは「難しいな…」と言っていた子も,ペアで練習を積むと, “Go straight. Turn left.” の決まり文句は自信を持って言えるようになります。また,「行き方は一つじゃないね,正解は一つとは限らないよね」と間違いに対して常に寛容である雰囲気を作ります。ペアで「話すこと(やり取り)」の演習に向けて「自分の家」を地図上の好きな所に決め,「友達と一緒に駅にいたら,どう道案内する?」「では学校の前にいたら,どう言う?」と応用練習を促します。最初は自信なさげですが,即興で教師が提示した場所から一緒に道案内を始めます。「“OK, you two are now at school.” 学校の前で二人が立っていて,A君の家はここです,Bさん “Where’s your house?” と尋ねてみましょう」と誘導します。はじめは恐々でしたが,A君が “Go straight. Walk two blocks.” と始めると,教師はデジタル教科書にそのルートを色で描き,子どもの英語を繰り返します。Bさんもスクリーンを見ながら “Walk two blocks.” と教室内で歩くふりをします。「“Turn left … えっと,hamburger shop, and go straight again.” 」教科書に無い表現は教師も並走して発話を手助けします。最後に「 “It’s on your right. It’s next to the museum.” 」まで言えると拍手喝采,「なるほど,こうやってやれば良いのか」という安堵がクラス内に広がり,次なる注目は「自分たちはどこから出発かな?」となります。「 “Now, you two are at the convenience store.” 二人で何か買ったのかな」と教師が語りかけると,「でも,どの向きで立ってるの?お店の出口によって言い方が変わるよ!」と声が上がります。“Good point!” と褒めながら,デジタルペンで「 “You are standing in front of the store, looking this way.” お店の出口でこの向きに立っています」と三角マークで向きを提示すると,納得した様子で案内を始めました。

このように発話を重視し,「クラス全体で子どもの声を共有しながら」活動を進め,英語に自信のある子もない子も「英語を口にしよう」という雰囲気作りを大切にしています。「道案内」は難易度が高く,子どもの心理的ハードルは高いですが,自ら実演することで理解が促され,経験を積むことができます。5年生は「読む力」の個人差が大きく,会話文を「読ませよう」とすると “Go straight.” 一つとっても難しく,ローマ字読みになりがちな子もいます。しかし,同時に5年生は「読む力」がつく時期でもあります。「読めないから提示しない」ではなく,「積極的に見せる」ことで,読む力がある子はスペリングや発音に気づき,読む力が低い子は音と文字を目で追う体験ができます。加えて,「道案内」ではデジタル教科書の機能が発揮され,Unit最後のLooking BackDid you Know? のコーナーや,Let’s Read and Write でも,一人一人の理解度と取り組みに歩調を合わせながら指導ができるようになりました。以前は書画カメラや写真のデータに書き込んで対応していましたが,学習履歴を見ればクラスごとの進度が一目で分かり,ICT機器の発達とその恩恵を強く感じています。

資料3:Blue Sky elementary 5 デジタル教科書Unit 7の使用例

(2)発信を重視した教材づくりと活動例

③第5学年「 “Who’s Behind Me?” グループ音読」(2022年2月実施)

5年生の英語をしめくくるStoryは楽しみながら音読ができるようにグループ活動にし,「誰がどこを読むか」「自分たちは紙芝居風にしたい」「僕たちは英語の‘位置’に立って面白くしたい」など,自由に話し合って発表の仕方を決めました。グループ音読に先立って,幼稚舎独自の検定の待ち時間に「位置を表すことば」をノートに書き出して,辞書を使って「意味」と「発音」を調べる自習をしました。Dictionary workは時間がかかりますが,イラストや他の単語に寄り道しながら意味を探す楽しみを体験できます。同時に,“Who’s behind me?” の答えとなる「動物名」も探してもらいました。大人から意味や単語を聞いて済ませるのではなく,新しい語彙を自分の目で確認するので,ことばの捉え方が変わってくると考えています。この前段階があったので,グループの音読に積極的に取り組む子が多く,活動全体を牽引していました。

この活動では独自教材として挿絵の「〜にいるのは誰?」に呼応する動物名をイラストの裏に印字し,紙芝居ができるピクチャーカードを作成しました。例えば, “Who’s behind you?” → “She’s a cat.” や “Who’s above you?” → “It’s a bird.” のように,敢えてHe, She, Itでセリフを作り,全体をワークシートにして配布し,子どもが練習しやすいようにしました。英語が得意な子は友達に読み方を教えてあげ,動物の声を工夫しようと考える子もいました。「カメ」を調べていた子が「turtleじゃないよ,背中が膨らんでるから陸ガメtortoiseじゃない?」と説明しています。「どちらかな,2つ見つけたのはすごいね」と声がけします。他にもsquirrelやowlの発音は難しいのか,調べたノートを持って発音の確認に来る子もいました。“Oh, Mister Giraffe.” のセリフでは「misterって辞書に無かったよね」という声も聞かれ,Mr.の表記を紹介しました。Storyは「棒読みにならないように」と「 ‘位置’ のことばをはっきり発音しよう」とアドバイスしました。実際の発表では各グループで工夫した音読ができました。英語に自信のない子は声が小さくなりがちですが,仲間と一緒に教え合いながら発表ができるので安心感があります。紙芝居風に発表したグループは,リーダーシップを発揮した子が最後のセリフを全員で合わせる掛け声をかけていました。 ‘位置’ を実演したグループは見ている聞き手の笑いを誘い,発表は大いに盛り上がりました。

資料4: Blue Sky elementary 5 “Who’s Behind Me?” の授業風景

3. 高学年のレポートカード(評価表)と習熟度別授業

本校では中学年(2021年度より3年生も含む)から三分割の英語授業が始まり,最初の2年間は出席番号順に12名ずつ3つのグループを作ります。独自の評価表「レポートカード」は4年生以降,学期に一回発行され,学校と児童及び家庭をつなぐ役割を担っています。導入されて既に20年以上が経ちますが,手書きのコメントとシールによるマーク表示だった頃からワードで作成するようになり,時代と共に進化してきました。授業で特に頑張ったところや,何を勉強し,何ができるようになったか,子ども一人一人について担当教師が白い紙から作成します。学期毎に保護者からコメントをもらい,休み明けに再度回収してワークシートなどと共に「イングリッシュ・ドシエ」(ポケット付ファイル)に保管します。この学習記録ファイルは6年生最後の英語授業で手渡されるもので,高学年で学んだことが一冊に収められます。小学生の英語授業をA, B, Cなどの一文字で評価することは出来ません。言語スキルがこれから伸びる子どもたちですから,現状は「よく出来る」場合もあれば,取り組みに丁寧さが無く「改善しましょう」と伝える必要がある場合もあります。このレポートカードのやり取りを通して,子どもたちは「英語の先生は日頃からよく自分たちを見ている」と感じますし,保護者も「何を勉強しているかよく分かる」と応えてくれます。1学級36名の教室では見えてこない子ども一人一人の個性もよく分かりますし,英語に対する学習意欲を高める環境をつくりやすいと考えています。

資料5:評価表「レポートカード」と学習記録ファイル「イングリッシュ・ドシエ」

そのような中,近年6年生の英語運用力について個人差が顕著になり,担当教員で議論を重ねました。過去にも習熟度によって上級・標準のようなグループ分けをしたことがありましたが,3年前から四技能の「プレチェック」と呼ぶ短い実力テストを5年生最後に実施し,授業や独自検定の取り組み姿勢と合わせて勘案し,Advanced, Intermediate, Beginnerの3つのレベル分けを試みました。習熟度別グループを編成する際,細心の注意を払うべきなのは「クラス分けが上下ではない」ということです。小学生の英語運用力は単純にレベル分けできず,読むことは得意なのに発音がなかなか上達しない子や,音感は大変良いが読み書きに弱い子など,能力の判断が容易ではないからです。とは言え,アルファベットからようやく単語レベルを学んでいる子と,まとまった英文を読み,話す力がある子を同じグループで同じ速さで学ぶ必要はないだろうと考えました。「ベスト・フィット」=最適な学習環境を作ってあげたいという考えの下,グループ分けを実施し,それを毎年注意深く説明しています。その成果もあり,「勉強しやすいと感じる」という子どもが多く,「レポートカード」を通じた保護者とのやり取りでも好評という印象を受け,3年間大きな問題もなく継続しています。

また,本校ではコロナ禍以前の2018年度2学期から全学年に1人1台iPadを購入してもらい,学校が管理する形でタブレット端末の学習体制を構築しました。コロナ禍でその使用頻度は急増し,2019年度から試験的に使用していたロイロノート・スクールが学習形態を多様化させました。2020年度の休校期間中は専科の理科や英語だけでなく,担任による国語や算数,社会の課題,体育や絵画・造形,音楽の動画による課題配信など,遠隔授業に大きく貢献しました。コロナ禍の授業は多くの困難を伴いましたが,ネット環境が整備され,子どもたちの順応力の高さと教師の工夫で,かつては考えもしなかった授業活動が試されるようになりました。

例えば,6年生の習熟度別授業では,AdvancedやIntermediateのグループ用に教科書レベル以上の内容に触れさせています。Readingの教材は文章の読解や新しい語彙習得に留まらず,音読を通して発音磨きができ,ListeningやSpeakingの教材になり,活動内容は広範です。長年活用しているのがコピー可能な"ESL Teacher’s Holiday Activities Kit"で,異文化理解の気づきに繋がるよう,Thanksgiving DayやValentine’s Dayの行事をイラスト付きで紹介しています。Readingの仕上げにマイク付きヘッドセットを活用し,教師が事前に吹き込んだモデル音声を聞いて読み方を確認後,自らの音声を録音して提出してもらう学習の流れも出来上がっています。その他,いわゆる「文法」の枠組みに捉われずにESLのイラスト付き教材"Basic English Grammar"を使い,視覚的な文脈のイメージを持ちやすい設定を提示し,「ことばを使いながら」外国語のルールに触れる活動もしています。週2回の授業では定着まで持っていくことは難しいですが,習熟度別にすることで個人差への対応が容易になり,多様な言語活動を体験させてあげられ,各自の学習意欲に働きかけやすい環境になったと感じます。

資料6:Reading教材"ESL Teacher’s Holiday Activities Kit"とロイロノート・スクール

4. おわりに

英語授業が長年続けられてきた私立小学校ですが,小学校の外国語活動と外国語授業が必修となった今,小学校以前の幼少期から英語を学ぶ子どもが増えていると感じます。そして,学校の授業を通して子どもたちは自分なりに「目指すべき言語スキルの目標」を持ち,それに向かって楽しみながら英語を学んでいると思います。高学年になると「上手にできない」といった心理的プレッシャーを持つことも事実ですが,同時に子どもたちは「知ること」を喜び,「英語でできた」という達成感を経験できます。また,「英語は大切だ」という自覚や「英語を使えるようになりたい」という彼らの強い憧れも見て取れます。まだ抽象的な概念を理解するのが難しい年齢である小学生ですが,情報機器の発達によって子どもの視覚と音感に強く訴えることができるようになりました。本校6年生で実施している習熟度別授業は個々の学習者の「個人差」に対応ができると考えています。同じ教材をどのように指導すると子どもの学習意欲に働きかけることができるのか,私たち教師は日々悩みながら授業準備をしていますが,その根底にあるのは目の前の子どもたちが「楽しく英語を学べること」,そして,一人一人の興味と関心を基に英語学習を進められるように「学習意欲へ働きかけること」を目指しているということでもあります。「子どものやる気につながる授業活動とは何だろう」という自問自答を繰り返しながら,子どもたちが近い将来,Global Citizenとして社会で活躍してくれることを願い,授業実践に励んでいます。その取り組みの一端をこの実践記録で多くの方と共有できるのであれば幸いです。

<参考文献>