本校では,第5・6学年の年間授業時数が35時間と設定されている。当初は担任とALTとのTTによる授業が25時間と,担任が行う授業が10時間を合わせて35時間に設定していた。また,小中一貫教育の教員の交流の一つとして外国語活動を中学校の教員に参観して連携を図る機会も設けていた。
ALTとのTTでは『Hi,friends!』を中心に活用し授業を行っている。そこで担任が行う10時間を児童にとってバランスよく有意義に取り組むことができるかが大きな課題となっていた。
以上のような状況を踏まえ,
の2点について実践してきたことを記していく。
第5学年「アルファベットをさがそう」
(表現) | What do you want? I want the A card, please. |
(語彙) | アルファベットの大文字(A~Z) |
本時の指導(1/5)
過程 | 活動 | ※留意点 ☆評価 |
|
---|---|---|---|
児童 | 学級担任 | ||
あいさつ |
・挨拶をする。 |
・全体に挨拶をする。 |
※意欲的に取り組んでいる子に声かけをする。 |
ウォームアップ |
・Let’s Chant 【Alphabet Chant 】 ・フラッシュカードで確認する。 ・CDを聞きながら,みんなでリズムをとる。 |
・歌に合わせてアルファベットカードを指す。 ○Who am Iクイズをする。 |
※速さに変化をつける。 |
練習 |
・『Hi, friends!』を使い,アルファベットの大文字をさがす。 |
Let’s play 1 ○音声を交えて探させる。 |
※アルファベットの読み方に慣れる。 |
アクティビティ |
・『Hi, friends!』を使い,ポインティングゲームを行う。 |
Let’s play 2
○指示されたアルファベットを探して指し示す。 |
☆アルファベットの音に慣れているか。 |
まとめ |
・ワークシートに振り帰りを記入する。 |
・一生懸命発表していた児童をほめる。 |
※授業の終わりにワークシートを書かせる。 内容を評価する際、3つの観点に留意して評価する。①コミュニケーション ②異文化理解 ③関心意欲(楽しめたかどうか) 自由記述のコメントもこの点に留意する。 |
あいさつ |
・挨拶をする。 |
・挨拶をする。 |
※よかったところを伝えて評価する。 |
本単元は外国語活動において初めて文字を題材とする単元であった。特に単元の前後で取り組んできたことや,日々の外国語活動の実践において主に取り組んできたことを3つ以下に記す。
朝の会や帰りの会では毎日英語で男女交流ゲームを行うようにした。ルールとしては,話す順序を決める際に英語でじゃんけんを行ったり,相手が発表し終えたら英語でほめ,認める声掛けをするようにしている。英語だけでなく他の言語でも,じゃんけんができるよう表で示したり,いつでも確認できるようイングリッシュほめ言葉表を作成して掲示したりしている。
学級において毎日,日記の宿題を出している。そこで,日記の返事に英語でほめ言葉を一言付け加えるようにしたところ,多くの児童がまねをして日記に英語の簡単なフレーズを書くようになった。
また本単元「アルファベットをさがそう」の学習中では,家や身近な場所からアルファベットの大文字探しをするよう宿題を出した。ノートに身近な回りのものから見つけたアルファベットの大文字を夢中になって探し,何十個も書き写すことができた児童も見られた。
アルファベットの大文字が出てきたら助言をし,表にまとめ,いつでも振り返ることができるようクラスに掲示するようにした。繰り返し行うことで,自然と児童がアルファベットに興味をもち始め,単元が終わるころには多数のイニシャルワードを集めることができた。
文字指導においては,音声によるコミュニケーションを補助するものであることを第一において指導してきた。また,音声によるICT機器を活用し,音声に十分に慣れ親しませたうえで指導した。例えば,アルファベットのCの発音等で,イギリス英語とアメリカ英語で発音する等,ビデオを見せ英語の多様性の話をして興味を広げた。
以上のような様々な機会や方法で英語に日常的に触れさせることで,児童は自然と意欲的に慣れ親しむことができたと思う。
今後も児童が英語に自然に慣れ親しんでいくことができる環境を整えていくと共に,児童同士が関わり合い,楽しめるような取り組みを念頭に置いて,私自身も意欲的に日々の教育活動を行っていきたい。