・ | 面積の自作教材を作成するにあたって留意したことは,教師の説明の道具ではなく,子どもたちの創造の道具にすることであった。つまり,子どもたちが主体的にコンピュータを活用して,学ぶ楽しさや,つくる喜びを体得できるようにしたいと考えた。このことは,先に発表された中教審答申の「生きる力」と一致するものである。 |
・ | この実践時では本市の小学校にコンピュータが導入されていなかったので(昨年度に各小学校11台,一部に21台導入された。)持ち込みの7台のコンピュータ(1班に1台)という環境でスタートした。 |
・ | 面積の問題づくりでは,今までの面積の学習をもとに好きな図形をかき,着色する活動を通して図形のおもしろさを体感させていきたいと考えた。この活動は一人ひとりの子どもの個性が発揮される場面であり,その考えをわかり合うことで子どもたち相互のコミュニケーション能力の向上が期待できる場面でもある。そこで,コンピュータが導入されている校区の中学校のコンピュータルームを借りて2人に1台という環境で実践した。このことは,本市の教育改革の1つでもある幼・小・中の連携,段差の解消とも一致している。 |
・ | 1cm2の形をつくる活動では,1cm2が□(1辺が1cmの正方形の面積)の広さとしか考えていない子に多様な1cm2があることに気づかせ,その概念をくずすことに意を用いた。また,3cm2の形をつくる活動では,限られた広さでもいろいろな形ができることがわかり,図形(面積)に対する柔軟な見方を育てるとともに図形の持つ楽しさや美しさを実感させていった。 |
・ | 面積の公式では,単位面積の個数を早く計算する方法の見通しを持たせた(マス目がある場合,マス目がない場合)。その後の練習問題(ただし,子どもが数字を入力)を通して,面積の公式「縦×横」「一辺×一辺」を発見させていった。 |
・ | 複合図形の面積では,解決の方法の見通しを持たせる。パソコンで図形の合成・分解を操作させ図形の構成に気づかせていった。また,ヒント画面や電卓画面,着色画面を用意し,思考の手助けとした。 |
・ | 1cm2,3cm2の形をつくる時や複合図形の面積を求める時の考え方は,面積の保存性を生かした等積変形の基礎となり,5年生の基本図形の求積の公式を作り出す時の素地になったと思う。 |