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<用意するもの> |
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20cm四方の段ボール |
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工作用紙(ルーレットの針に使用) |
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ぐるりんゲームの型紙 |
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画鋲1つ |
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ビニールテープ |
<用意するもの> |
1. |
針をSTARTの赤い線に合わせる。 |
2. |
針を指ではじいて回す。 |
3. |
スタートの線と止まった針のところまでの角の大きさを競う |
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(1回転以上しても START から針までの角度を自分の角度とした) |
3. |
授業の実践と考察<「ぐるりんゲーム」を用いた学習過程の工夫> |
まず,隣りの友達と角度を競い合った。角度が大きい方が勝ちというルールである。始めて数分,子どもたちの中で次のような疑問が生まれた。
子どもたちはこれまでに,「角度は2つの辺の開き具合によってできている」ということを学習してきている。しかし,180°を超える角度は,未経験であるがために起こった疑問である。ここで子どもたちの話し合いは次のように展開していった。
大野,矢地,藤田の発言から,180°を超えるときの角度をどうするかということに話し合いが焦点化されてきた。また,亀村の発言からは,「2つの辺の開き具合」というきまりから,角が2つ存在することに気づき,全体に広めることができた。しかし,まだ完全に納得はできない。勝負を決めるためには,どこを測ればよいのか。
教師は,この場面でのポイントを180°を超える角度の存在をはっきりさせることだと考えた。そこで,次のような発問を行った。
一本の線のようになったとき,
角はあるの?ないの? |
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ある 4人 |
理
由 |
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角は,「1つのちょう点から出ている2つの辺が作る形」だから。 |
・ |
中心をちょう点,スタートの線と針を辺と考えたら,あると思う。 |
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ない 11人 |
理
由 |
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これは,まっすぐな線だから,角はないと思う。 |
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三角形のときは,こんな形の角はなかったよ。 |
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「ある」と答えた子どもたちの意見も,「ない」と答えた子どもたちの意見とは,相反する意見だが,共に今までの学習や生活経験をもとにして,推論して考えようとしていた。その後,デジタルコンテンツを用いて,角は2つの辺とちょう点からできるから,まっすぐになっても,1回転しても角度であるということを確認した。
ゲームをする中で出てきた子どもの素直な疑問を適宜学習過程に位置づけていったことで,既習の学習内容や生活経験を想起し,角に対する理解をより深めることができた。
角に対する理解を深めたことで,1対1の勝敗の勝負ができるようになった。そのうちに,「クラスの中で順位をつけたい」という話になり,一発勝負の角度で順位をつける活動を行った。子どもたちは,既習の「直角」という単位を用いて1直角,2直角,3直角,4直角とだいたいの順位はつけることができた。しかし,もっと正確に測りたい,正確に順位をつけたいという願いから,普遍単位の有用性やその意味を活用して,算数の内容に関した考え方で解決しようとしていた。
<普遍単位の必要性を考える子どもたち>
C1: |
直角を単位にしたら,だいたいみんながどれくらいの大きさかは分かった。 |
C2: |
でも,2直角なら2直角の中で比べるのがたいへん。透明じゃないから重ねられないし。正確じゃないよね。 |
C3: |
小さいメモリみたいなのがあったらいいなあ。 |
C4: |
やみたいに,細かいメモリがあれば,微妙な差でも分かるね。 |
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まさに,数学的見方・考え方が表出した瞬間である。また,やのような細かいものを測るための新しい物差しをイメージしたり,目盛りの取り方を豊かに表現したりすることができた。
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「ゲーム」という言葉や活動が子どもの学習意欲を高め,普段は自分の考えをもてない子どもも自分の考えをもって学習に取り組むことができた。 |
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「勝負の結果をはっきりつけたい」「早く勝負の結果を知る方法を考えたい」など,一人一人の切実な思いやつぶやきが多く出された。そうしたものを授業の中で適宜取り上げることで,角度の本質に迫る学習を展開することができた。 |
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生活経験が乏しい角度であっても,ゲームという子どもが真剣になる活動を仕組むことで,その学習内容を深めることができた。 |
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