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子どもの様子(下線部は課題意識の表れ) |
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数学的な考えに関する評価 |
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〔事前(朝の時間)〕 |
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事前の準備として,右の写真のように教室中央にストロー(通常のストローを4等分の長さに切ったもの)を山積みにし,机と椅子はその周辺に配置しておいた。 |
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〔第1次(1〜3時間)〕 |
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○ |
ストロー取りゲームを行うことを教師が告げ,子どもたちの質問に答えながら,次のルールの共通了解を図った。 |
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ストロー取りゲームのルール |
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□ |
先生とのジャンケンに勝った人は,ストローを3回だけ片手でつかみ,ビニル袋の中に入れる。 |
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□ |
ビニル袋からこぼれたストローは入れてはいけない。 |
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□ |
席が隣の子と比べて,ビニル袋に入っているストローの数の多い人が勝ち。 |
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○ |
全員がストローを取り終わった後,席が隣の者同士でビニル袋の中のストローを見比べて,どちらが多く取っているか予想をするように促した。 |
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「見ただけでは,どちらが多いのかよく分からないな」「数えてみないと分からないよ」という声が多数挙がった。 |
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○ |
「勝敗をはっきりさせるために,自分のストローの数を数えよう」と投げかけた。 |
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始めのうちは1本ずつ数える子どもがほとんどであったが,すぐに「途中で分からなくなった」「いい数え方はないかな」という反応が見られるようになった。 |
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やがて,次々と輪ゴムを要求するようになり,輪ゴムを使って,次のようなストローの束を作る子どもの姿が見られた。 |
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10本ずつの束を作る。 |
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50本ずつの束を作る。 |
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・ |
100本ずつの束を作る。 |
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さまざまな本数の束を作る。 |
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※ |
これらの姿は,構成要素(単位)の大きさや関係に着目する【単位の考え】の表れであるといえる。 |
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○ |
ストロー取りゲームの勝敗を決するため席が隣の子どもと取った本数を比べるよう促した。 |
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自分の取ったストローの本数を数えた子どもたちは,席が隣の子どもと互いの数え方を教え合いながら取った本数を比較した。 |
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○ |
子どもたちに発表させて,上のような様々な数え方を明らかにした。 |
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○ |
自分とは異なる数え方で数えてみるとともに,様々な数え方について話し合う場面を設定した。 |
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子どもたちから,「いろいろな数え方があるな」「どの数え方がいいのかな」という発言があった。 |
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ここでは,次のような反応があった。 |
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束を作っていないと,本当に何本あるのか分かりにくいよ。 |
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いろいろな数の束を作ってしまうと,数えるときがたいへんだった。 |
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1本ずつ数えて50本や100本の束を作るのはたいへん。 |
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50本や100本の束と言っているけど間違いなく50本や100本になっているの分かりにくいな。 |
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はじめに10本の束を作っておき,次に10本の束を10個束ねて100本を作るというのが簡単だ。 |
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10本の束を10個束ねて100本を作っておくと,友達と比べるときに100本の束や10本の束がどちらが多いかが分かりやすいよ。 |
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○ |
このような子どもたちの反応を踏まえ,10をもとにして数えることのよさを確認した。そして,この時点で,ひとまず席が隣の者同士でストローの数を確認し,どちらがゲームに勝ったかを決定させた。 |
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〔第1次(4時間目)〕 |
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※ |
このような反応は,先述の【単位の考え】とともに,操作の意味を明らかにしながら考えようとする【操作の考え】が表れているといえる。 |
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○ |
「今度は,自分の取った本数を数字で表して,隣の人と比べよう」と投げかけた。 |
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子どもたちが表記した数字には正しいものも多くあったが,例えば「20083(実際は283)」や「300507(実際は357)」のような誤りも見られた。 |
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「どのように表せばよいのだろう」という思いや「どの表し方が正しいのだろう」という思いをもつことになった。さらに,誤った表記に対しては,「100までの数字の書き方(表し方)と違うよ」「83だったら10が8個だけど,その0は書かないよ」「だから,357も100が3つだけど,00は書かないと思うよ」という発言があった。 |
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※ |
このような姿は,子どもたちは前学年で学習した十進位取り記数法の意味にもとづいて考えており,先述の【単位の考え】とともに,表現の基本原理にもとづいて考えようとする【表現の考え】の表れであるといえる。 |
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○ |
子どもたちの発言を踏まえ,「10が10こで100,100が10こで1000」という十進位取り記数法にもとづいて,1000までの範囲で数の表記について説明した。 |
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〔第1次(5〜6時間目)〕 |
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教師の説明を受けて,子どもたちは自分の取ったストローの本数をプリントに数字で表記し,それを隣の席の子どもと確認し合った。 |
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○ |
前時に一人ひとりが記入した数字をもとに,数の大小を比較する場面を設定した。はじめに,隣の席の子ども同士や4人のグループ内で互いに数字を見せ合い,「誰の数が多いか。どうしてそう言えるのか」ということを話し合うようにした。 |
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子どもたちは,まず,「誰が一番たくさん取っていたのかな」という思いから,興味深く友達の数字を見ながら自分の数字と比較していた。さらに,「誰の比べ方がよく分かるかな」という思いから,数の大小を決定した根拠を聞き比べていた。 |
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○ |
数字で数の大小をどのように比較すればよいか話し合った。 |
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次のような考えが認められた。 |
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A子さんは358本で,ぼくは414本。百の位の数を比べると,ぼくの方が100本の束が1つ多いから,ぼくの勝ち。 |
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○ |
B子さんは281本で,私は263本。百の位の数は同じだけど,十の位の数はB子さんの方が大きいから,B子さんの勝ち。 |
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以上のような子どもたちの考えは,100・10・1という構成要素の大きさや関係に着目する【単位の考え】であり,表現の基本原理にもとづいて考えようとする【表現の考え】であるといえる。 |
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○ |
子どもたちの考えをもとに,数の大小を比較する際,まず,百の位の数の大小を比較し,百の位の数が等しい場合は十の位の数の大小を比較し,百の位も十の位も数が等しい場合は一の位の数の大小を比較すればよいことの共通了解を図った。 |
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右の写真のように,教室の背面に全員のプリントを掲示し,百の位から順に数字に着目して「ストロー取りチャンピオン」を探した。 |
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