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楽しく,学び合い考え合う学習をめざして | ||
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1.はじめに 算数の勉強で何が一番大切だと思うかと聞いたら,ほとんどの人が「計算」だと答えるだろう。なぜですかと聞いたら,「生活する上で必要だから」という答えが返ってくるだろう。それだけ「計算の技能」は生活に密着している。電卓やコンピュータの開発によって,機械に任せて正確に計算はできるようになった。しかし,計算の技能を獲得する過程で,筆算の仕方を考えたり,筆算の練習を積み重ねたりすることで,「数感覚の育成」や「十進位取り記数法の理解の深化」「きまりを見つけ,そのわけを考える演繹的な思考の体験」などをねらうことができる。 算数の学習を長い期間の視野で捉えたとき,これらを体験することの意義は極めて大きいと言える。そういったことを「学び合い」を通して,しかも楽しみながら考える学習を目指して,授業を構成したいと考えた。 2.単元名 「たし算とひき算の筆算」 3.単元の主張点
5.単元の計画
6.授業の実際
7.おわりに 「無機質な繰り返し」は,子どもが一番嫌がる学習方法である。これは,子どもだけではあるまい。意味の無い,習熟だけを目指した習練というのは,苦しさを伴う。「漢字の練習」がその典型である。無論,そういった苦しさを味わうのも,大切な体験である。この実践では,「繰り返し」に意味を持たせることによって,二次的に発生する「考える楽しさ」を取り入れた。 本時では,ひき算3問,たし算3問の練習をしている。しかし,その練習には「カードを引く」という操作と,「百の位と一の位を入れ替える」という操作,さらにそこから生まれる不思議な事象にふれるという活動が入る。無機質な繰り返しに「意味」を持たせるのである。 児童は,夢中になって取り組んだ。授業の最後に1089が並んだとき,何とも言えないため息が漏れた。算数の世界の不思議さ,美しさを感じた瞬間だった。 「苦しさを味わう体験」という点では,練習問題の数も少なく,課題が残る。宿題など,違う時間で結局はこの苦しさを味わうことになる。ただ,今回の授業の体験は,そういった練習をする上でも,多少なりとも児童の心に残り,意欲を持続させることにつながったのではないかと思っている。 |
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