2年
「算数って,おもしろいね!」            
〜買い物場面で,楽しくたし算・ひき算を〜                 
和歌山県和歌山市立山東小学校
岡野 恭子
1.「おもしろそうだ」「やってみよう」

 算数は,子どもたちの生活の現実とかけ離れていることが多いように思われる。このため子どもたちの実態を考慮しながら,知的好奇心を大事に,遊びや体験したことを取り入れたい。そうすることで,ねらいとするところに到達できるような学習場面を考えることが大切であると考える。

(1) 生活体験や実物に触れたり,操作したりすることなど,体験をもとにした課題構成は子どもの興味・関心を高める。(ここでは買い物場面を設定)

(2) ゲームを取り入れる。(楽しさ・習熟など)

(3) 教材にストーリー性をもたせる。(興味・関心,意欲)

2.児童の実態

 1年生では,1位数+1位数=十何になる計算を学習してきている。また,これまでの学習で,ブロックやおはじきでお話したり,絵や図を使って考えるようになってきている。

3.2位数+2位数=3位数(百の位へのくり上がりあり)まで

 2年生のたし算では,既習を踏まえ,加法の理解を一層深めるとともに,十進位取り記数法の原理に基づいて,2位数+2位数の計算の仕方を考え,筆算形式の理解を図ることをねらいとしている。

「買い物場面」を用いるよさ

 ・身近な買い物場面で,加法や減法への興味・関心を高める。

 ・導入時に子どもが単元の見通しをもって取り組める。
  (既習 → 未習だがやれそう → むずかしいぞ)

 ・おはじきやブロック・計算棒,図や絵などいろいろなやり方で考えられる。

4.授業の展開

 (1) 2位数+2位数=2位数の導入(くり上がりなし〜くり上がりあり)

 トッピーの好きなお菓子

しょう油味の
するめくん

あまーい
チョコ

ぼうつき
あめ

あたりつき
フーセンガム

つめたーい
ミニアイス

自分の好きなのを選ぶ (式を書いて発表) → 既習と未習に分け単元の見通しをもつ


 教科書では36+43などのくり上がりなしから始まり,43+4などの特殊へさらに,25+36のくり上がり,4+36などの特殊へと進んでいる。

 しかし, 話し合いでは,子どもたちは「数が大きいからむずかしい」

 「25+8は十の位をおいといて,5+8でできるからやれそう」 など,くり上がりウンヌンの話し合いにはならなかった。

 これは,あまりにも一度に単元全部を出して,通そうとしたこと,子どもたちにまかせすぎたことに問題があるのかもしれないと思う。

○ステップ2や3は, 簡単にできそうなものから話し合う。

 おはじき・ブロック・計算棒・式など,いろんな方法によって,「一の位どうし,十の位どうしたす」「バラが10個でかたまりの10になって,1繰り上がる」ことを理解する。

 例えば,5時では

ミニアイスとするめくん ( 25+36 )

 ▼ ブロックで
 

 ▼ 計算棒で
 
 ▼ 式で
 
 ▼ ひっ算で
 
 (2) 2位数+2位数=3位数(百の位へのくり上がりあり)

   たし算がバージョン アップだよ


 C 「答えが全部,百をこえているね」

2つ選んで式を書いて,発表する。未習と既習に分けるなど(1)と同じように進む。


 この単元になると,未習と既習に分ける根拠に,繰り上がりに目を向けた話し合いができるようになった。

 どの時間でも,ノートに自分の計算方法を書かせていくが,分からない子には,必ずブロックなどで操作させた。

 (3) 3位数―2位数(くり下がり) ひき算でも,お買い物でやってみた。

 わたしのへたなお芝居から入る。

 「あれ,ここにさいふが落ちているぞ。 今日,買いに来てくれたのは,ようこさん,たろうくん,つとむくん,のりこさん,みなこさんだったなあ。さて,だれのかな。」

○子たちの質問攻めにあう。
 C おさいふのなかみはいくら? --------- 
 C みんな何円持ってたの?

 C 何を買ったの?

 C 持っていたお金―代金=おつり になるよ。

○そこで,それぞれいくら持っていたか,何を買ったかを言う。


 後は,たし算のときと同じように進む。

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