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単位の必要性を体験的に理解する学習 単元名 長さ(1) | |
山形大学教育学部附属小学校 鈴木 修 |
1.はじめに 〜「長さ」の学習を構成するにあたって〜 2年生の「長さ」の学習は,子どもたちが生活の中で出会う様々な量に対する見方・考え方の基盤を育てるために重要である。ここでは,1学年の学習で経験した長さの直接比較や間接比較,任意単位による測定などをふまえて,子どもたちに次のような力を身につけさせたいと考えた。 そこで,これらのねらいを達成させるための学習構成と支援のポイントを次のように設定して指導を行うことにした。
2.算数的活動の工夫
このゲームには,子どもたち同士の記録(長さ)にそれほど大きな差が出ないという特徴がある。場合によっては,わずか数oの違いが順位に影響する。そのため,友だちの長さとのわずかな違いにもこだわって記録を比べ合う活動が可能となり,共通の単位を用いる必要感や「はした」の長さを表す必要感をもたせることができる。また,この活動を通して,2点間を直線で結んだときの長さが最も短い長さとなることについても気づかせることができると考えた。 3.単元計画
4.授業の実際
5.おわりに 〜単位の考え方をさらに広げる子どもたち〜 こうした学習を通して,子どもたちに普遍単位のpとoを知らせた。昔の人々が様々な共通単位を用いてきたという歴史的背景や,単位が統一されないと不都合が生じるという必要性から普遍単位が生まれたことを知らせると,子どもたちは,ゲームを通して自分たちが体験したことと重ね合わせながら理解することができた。 単元の最後には,ものさしで身の回りのものの長さを測る活動を設定した。この活動の中で,子どもたちは十進位取り法にもとづく単位の考え方をさらに広げていくことができた。 「ものさしの目印は,ちょうど10pのかたまりのところについているよ。」 「黒板の長さは,何百pにもなってしまうから,100pのかたまりもあるといいよ。」 といった声も聞かれた。 こうした子どもたちのものの見方・考え方は,これからの学習や生活の中で,必ず生かされるものであると考える。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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