歩合とは,割合を表す方法の1つで,割合を表す数が0.1のときこれを1割といい,0.01,0.001の場合に,これらを1分,1厘といいます。
百分率が,基準とする量を100とみた割合の表し方とすれば,2割,5割という「割」についていえば基準とする量の大きさを10とみた割合の表し方とみることもできます。
割合を表す小数,百分率,歩合の関係は下のようになっています。
この「割」は,鎌倉時代から室町時代にかけての金利の単位として用いられました。当時の文書には「和利」という文字で表現されています。その後も利子計算の必要性が増大し,「割」だけではすまされないほど複雑になってきました。
一方,江戸時代のはじめに,中国から小数の考えが導入されました。小数では,
1の1/10を1分,1分の1/10を1厘,1厘の1/10を1毛……のようによんでいます。
その影響で利子計算にも小数が取り入れられ,1割を基準として,
1割の1/10を1分,1分の1/10を1厘,1厘の1/10を1毛……と名づけられました。
小学校では混乱を招きやすいので小数の呼称は扱っていません。一方,歩合はまだ日常生活の中でもしばしば見受けられます。よい例が野球の打率です。例えば3割打者というのは10回の打数でヒットが3本打てる割合にある打者のことをいいます。売り出しなどで2割5分引きというのは25%引きのことをいいます。