重さ

重さは,長さやかさと異なり目に見えない量であるため,見かけだけでは大小判断ができません。また,手に持った感覚で比較するにしても,目で見て長さを比較するというようにはいかないものです。
このように重さは捉えにくい量ですが,既習の長さやかさと同じように,単位のいくつ分にあたるかを調べて数値化できるようにするのです。
重さには,質量と重量(総説参照)があり,量の概念としては異なるものです。計器にも,質量を測る天秤や竿秤と,重量を測るバネ秤や台秤があります。しかし,小学校ではこれらを区別することは難しく,その必要もありません。
指導にあたっては,次のようなステップを踏み,漸次重さの概念の理解を深めていくことが必要です。

(1)重さ比べ
まず,教科書のように手に持って感覚的に重さを比べさせ,重さの違いがよくわからないことから,天秤を使った直接比較へと進みます。

(2)重さの測定
次に,どれだけ重いかを知るため,下のように1円玉を使って,何個分の重さになるかを調べさせます。(任意単位による測定)

そして,1円玉が1gになっていることを知らせ,重さを客観的に数値化させ,秤による測定(普遍単位による測定)へと進めます。秤による測定の際には,目盛りの読みに関連して秤量や感量について着目させるとともに,重さの測定を通して,量の保存性や加法性に気づかせることが大切です。
なお,重さの量感を豊かにするため,1kgの砂袋を手に持ったり,重さを予想させることも大切にしたいものです。