一般的に数学の上で作図といった場合,初等幾何の作図をいいます。この場合にはコンパスと定規だけを用いて図形をかくのですが,小学校における作図は,コンパスと定規に長さの目盛りの入っているもの(ものさし)や分度器を用いて図形をかくことも許します。
第1学年での立体の面を写し取る学習や,直線で任意の三角形や四角形をかく学習,第2学年の方眼紙に長方形や正方形をかく学習も広い意味で作図といってよいでしょう。
しかし,長さや角の大きさが指定された形をかく学習は第3学年が初めとなります。
本来,作図は正確さが求められますが,小学生の場合は巧緻性の問題もあり,定規やコンパスなどの器具が使い慣れない場合があります。初めのうちは,正確さや速さよりもその手順を一つ一つ確認するなどして正確に覚えさせることから始めるとよいでしょう。何回か繰り返して作図をするうちに,正確さや速さが伴って身についてきます。作図などの技能は,一度練習した程度ではなかなか身につきません。計算と同様,反復練習がある程度必要となります。
また,上図のように,二等辺三角形の作図の仕方という技能だけでなく,その意味を理解させることも大切です。