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「学習の目的を知ろう」では
通常上記(1)の2)のような空気鉄砲や水鉄砲などの遊びが単元導入で設定されると考える。今回は,その前にペットボトルロケットをクラス全員で飛ばすことを行い,空気と水のパワーに子どもたちが十分に目を向けるようにさせるように授業を設定した。
この写真のようなペットボトルロケットの発射キットを使ったものや自作のゴム栓にボールの空気入れの器具を差し込んだものを利用したものなど数種類のロケットを飛ばす活動をした。子どもの様子やノートの記録をみると,ペットボトルロケットの中に送られる空気の泡,押し出される水の勢い,発射の跡に掘られた穴などいろいろな気づきがあったことがわかり,この活動で,子どもたちは空気や水に十分に目を向けることができていた。
余談になるが,土の校庭でキットを使って発射させると,泥が無数の飛び散り,多くの子どもたちが泥を浴びる結果となった。(予備実験は芝生が張ってあるところで実施したために,校庭ではこんなに泥が飛ぶとは想定できなかった。)
その後,(1)の2)の活動を行った。写真のように空気鉄砲や水鉄砲で遊びながら,玉の飛び方,玉と玉との間の空気,球が飛んだ瞬間の音やそのときの手応え,水を押すときの手応え,圧す力と水の飛ぶ距離などいろいろな疑問が出されることになった。
これらの疑問をもとにして,空気や水に関する不思議を出し合い,子どもたちとともに話し合いながらたくさんの疑問を集約する形で学習問題を設定した。
こんなことをしながら,子どもたちの「ワクワク」は広がっていったと考えられる。
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(2) | 「空気や水の不思議を見つけよう」では
ここでは,空気,水の不思議を見つけるということで,写真のように注射器,ボール,空気・水鉄砲など道具を多数用意し,子どもが自由に使えるようにした。
実験方法としては,基本的な実験パターンを数種類提示し,これらを検証しながら進めるようにしたが,子どもが自由な発想で試せるようにもしておいた。
実験方法も子どもがじっくりと考える展開も考えられるが,本単元では「学習への必要感」や「たくさんの実験をした結果を基に決まりを見つける」,「見つけたわかったことを使う」ことなどを全面に出したいため実験の基本パターンを示すことにした。
この追究をしている頃は,本校では教育実習を受け入れていたので,実習生も多様な実験を教材研究をしながら工夫したため,子どもたちは様々な事象をもとに空気や水の不思議を考えることができていた。
ここでは5時間の追究活動を設定していたが,こちらが考えた基本パターンや材料を自分で工夫した多くの活動をしながら子どもたちの「ドキドキ」は高まっていったと考えられる。
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(3) | 「ペットボトルロケットを高く飛ばそう」では
単元の終末には,実際に子どもたちがペットボトルロケットを作って工夫しながら高く飛ばしていく展開を設定した。子どもたちは,この前の共通課題で,ペットボトルロケットは,「空気が押し縮められ,耐えられなくなったときに水を噴射させる勢いで飛び上がること」を確認している。
ここでは,ロケット本体を作ること,水と空気の加減をどうすれば高く飛ぶのか試すことの主に2点をめあてにして子どもたちは活動することになる。そこで,下記のようなポイントを提示し活動することにした。
A ロケットを作る際のポイント
1) | 羽をどのようにつけるか考えよう。(強度を高めないといけないよ。) |
2) | 頭とお尻の重さのバランスを考えよう。(頭がある程度重いと方向性がはっきりするよ。) |
3) | 全体の形や色などのデザインも工夫しよう。(せっかくだから美しく作ろうよ。) |
B 高く飛ばすことを考える際のポイント
1) | 水の量と空気の量はどのようにすればいいか試しながら見つけよう。 |
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Aのポイントについては単元の内容と直接関係はないが,ペットボトルロケットを作る際には重要なことになってくるものである。学習への必要感を満たすためにはここをはずすわけにはいかないと考え,子どもたちに考えさせるようにした。
なお,この活動も「4つの役割を活用したチーム活動」(小集団での学び合いの一方法として方法を本校で工夫したもの)をもちいて活動することにした。この活動の説明は,本校ホームページに載せてあるので,そちらを参照されたい。
この写真は,子どもたちが実際に作って飛ばしたペットボトルロケットである。子どもたちは,前述のポイントBに当たることも試行錯誤していたし,写真のようにデコレーションをかなり工夫することもしていた。右側のものなどは全体的に重めになったが,水の量,バランス,羽の強度などのポイントがよく押さえられていたため,安定した飛行をすることができた。また,単元の最後まで子どもたちは意欲が落ちることなく,あきらめずに活動していた。そう,「ハラハラ」しながら子どもたちは最後まで学習していたのです。 |