4年
電気のはたらき             
〜活動意欲を高める飛行機づくり〜               
神奈川県平塚市立山下小学校
大木 栄二

1.はじめに

 「電気のはたらき」では,乾電池の数を変えるとモーターの回り方が変わることを学習します。その際に,モーターの回り方を直接目で確認できるプロペラを使って学習を進めてみました。初めは走っていた飛行機が,飛ぶ(?)というように動きにも変化があり,子どもたちの活動意欲は,とても高まります。工作も,それほど難しくありませんのでチャレンジしてみてはいかがでしょう。

2.飛行機づくり

AタイプBタイプ

  (1) 材料(写真のAタイプ)


1cm×1cm,長さ90cmの角材(1本),30cmは飛行機,60cmは飛ばすときに使います


マブチ FA−130モーター(1個)


直径3cmのプーリー(2個),タイヤ用


竹ひご8cm(1本)


針金,太さ1mmぐらい(20cm)


白ボール紙B5版(1枚)


ビニール導線(1m),中に細い導線がたくさん入っている工作用10芯コード(柔らかく曲がるので)


プロペラ長さ20cm(1個),模型飛行機用のプロペラが推進力があり三枚羽根よりよいです


市販されているゴム動力ヒコーキ(220円ぐらい)を使うと,プロペラ・タイヤ・主翼・尾翼がセットになっているので簡単に工作ができます。胴体は,30cmの角材と白ボール紙。(写真のBタイプ)

  (2)

 工作の準備


模型飛行機用のプロペラは,穴が小さいためモーターの軸が入りません。ドリルで2mmの穴を空けておきます。

  (3)

 さあ作りましょう

1)

 1cm×1cmの角材(長さ90cm)を30cmと60cmの長さに切ります。

2)

 30cmの角材の先端にモーターをセロテープで固定します。

3)

 白ボール紙(B5版)で主翼と胴体を作り角材に張り付けます。このとき,ボンドやのりでもできますが,両面テープを使うと仕上がりが早いです。

4)

 タイヤは,直径3cmのプーリーを竹ひごでつなぎます。竹ひごは,ストローに通しておき,針金で30cmの角材に取り付けます。

5)

 モーターに,プロペラを取り付けたらできあがり。

6)

 自分の人形を作って,ぜひ,操縦席に乗せましょう。



3.さあ,飛ばそう

  (1) まずは,乾電池1個から

 乾電池1個では,飛行機は少し走るだけで,軽快には走りません。さて,「元気に走らせるにはどうしよう。」「そうだ,乾電池を2個に増やそう。」

 乾電池2個だと,軽快に廊下を走ります。このとき,ビニール導線が50cmほどあると追いかけて動かすのに楽です。後に,車輪やクリップをつけて抵抗を減らすと,さらに軽快に走ります。


  (2)

 走るだけでは,つまらない

 60cmの角材の中央に15mmほどの釘を1本差し込んで(千枚通しで穴を開けておく),両側に2機の飛行機をバランスよく取り付けます。一人一人で飛ばしたいときは,自分の飛行機と反対側をねん土でバランスを取りましょう。

 そして,角材の中央に光電池をセロテープで貼り付け,コードをつなぎます。1.5リットルのペットボトルに半分ほど水を入れた台を用意します。

 さあ,外へ出ましょう。光が当たるとよく回ります。子どもたちは,これで「飛行機が飛んだ。」と言ってくれるかな?(たくさんの子が「飛んだ!」と言ってくれました)

 出力の弱い光電池でも,自動車と違い,抵抗が少ないのでよく回ります。止めたいときは,太陽の光を遮れば,プロペラはぴたりと止まります。光電池の働きがよく分かります。


  (3)

 もっと飛ばしたいときは

1) ブンブン飛び回るよ

 単3乾電池を2個,胴体の両側(主翼の付け根)につけて,1.5mほどのひもでつるします。目玉クリップで天井からつるすと,円を描いて飛び回ります。そのとき,垂直尾翼に方向舵を足しておくと回りやすいです。5cm×5cmぐらいの余った白ボール紙をセロテープで垂直尾翼に角度をつけて貼り付けます。うまく回らないときは,ちょっと回転方向へ押してください。


2) まっすぐ飛ばしたい

 1.5mぐらいの高さのところに,たこ糸を張ります。長さは,長い程良いですね。(教室の窓から廊下の窓までが良さそうでしょうか。)たるまないように,しっかり張ります。

 直径4cmぐらいのプーリーに針金をつけて飛行機をつるします。乾電池2個をつないで,プーリーをたこ糸に引っかけます。たこ糸がピーンと張ってあると,飛びます。


4.あとがき

 モーターにプロペラを直接取り付けるので,モーターの回転を目で見て確かめられます。子どもたちは,乾電池の数が増えると回り方が変わることを実感できるのではないでしょうか。また,バランスよく取り付ける場面では,難しい子もいると思います。適切な支援があれば,楽しくものづくりができると思います。


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