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理科

パソコンやプロジェクターを活用した実験の指導事例
~ヘスの法則(データー処理)とアルデヒドの性質(方法説明)~

群馬県立高崎高等学校 長谷川 忠史

1.はじめに

インターネットやタブレット型端末の普及で様々な指導法が普及している。危険を伴う,瞬間の変化で観察しにくい,小さくて観察しにくい,実験が大がかりになるなどの場合は映像などを利用するが,できるだけ実験や観察を行い,パソコンやプロジェクターを補助的に活用している。

実験についての私の考えと,実践例(ヘスの法則のデーター処理,アルデヒドの実験の説明)を2例報告する。よく行われている実験なので,より良い方法をご存じの方もいると思う,お気付きの点があればアドバイス頂ければ幸いである。

2.実験や実物観察の意義

3.実験方法の検討

生徒の安全・操作性・現象の見やすさ,などを考慮して,実験方法・説明方法・まとめ方などを工夫している。また,準備した試薬や器具が原因で誤った結果が出るとむしろマイナスなので,予備実験を行い不備の無いようにしている。

水酸化鉄を用いたコロイドの実験で,セロハンチューブが劣化して全透膜状態になり,セロハンチューブの外に鉄コロイドが出てしまったことがある。

4.事例1<ヘスの法則>

(1)実験方法の改良点

(2)ワークシートの活用

グラフによる温度補正が正確にできているか,エクセルで自動計算させるシートを作成し,グラフを書いた後に,データーを入力して確認させた。

①工夫した点

ヘスの法則の実験プリント
プリント1 (一太郎:229KB) プリント1 (PDF:190KB)
プリント2 (一太郎:31KB) プリント2 (PDF:57KB)
エクセルの計算シート
エクセルの計算シート (エクセル:34KB) 計算シート (PDF:66KB)

5.事例2<アルコールの酸化>

メタノールを加熱した銅線で酸化する実験は,銅線の色の変化,銀鏡反応の生成で生徒が感動する。また,酸化還元の復習もできる。しかし銅線を直接アルコールに漬けるミスなどが多い。そこで説明に自作の動画を利用した。また実験方法も検討したので以下に記す。

(1)実験方法の改良

① エタノールの使用
エタノールでも一連の実験ができメタノールは毒性があるのでエタノールを使用した。

② 銀鏡を綺麗に作る条件
ホルムアルデヒドは綺麗な銀鏡ができにくい。還元性の確認ができればよいので,綺麗な銀鏡にこだわる必要はないが,綺麗な銀鏡ができると生徒の反応もよい。綺麗な銀鏡を作るポイントを記す。

  • ・使用前に試験管内をクレンザーでよく洗う。
  • ・アンモニア性硝酸銀水溶液の作成は演示しながら教師が行う。教師が行うことで時間の節約と正確な濃度にできる。演示することで溶液の色の変化も見せられる。
    また作り置きによる事故も防げる。
  • ・アルデヒドの量を増やす。
    銅線を入れる回数,銅線を出して試験管を振りよく溶かす。
  • ・反応開始前に試薬を氷で冷やす。
    作成したアンモニア性硝酸銀水溶液を事前に冷やしておく。
    さらに,始め少量加えしばらくして全量加えると綺麗にできやすい。

エタノールを酸化させ作成した銀鏡

(2)動画による実験の説明

実験の説明は言葉では伝えにくい。模範操作も小さくて見にくい。そこで,ビデオで撮影してプロジェクターで拡大した動画で説明した。説明動画を作成する際,説明動画で結果が解ると感動が少ないので,説明動画はエタノールでなく,水を用いた。

アルコールの酸化実験プリント
アルコールの酸化実験プリント (一太郎:31KB) アルコールの酸化実験プリント (PDF:97KB)