本校は1904年に創立され高等学校に日本で初めて音楽科を設置した学校であり,音楽を通して感性を磨き豊かな人間性を育んできました。2004年には創立100周年を迎え,また2007年には女子校より男女共学になりました。普通科と音楽科のそれぞれが目標を明確にし,その中でも特に普通科の特別進学コースは上位校の大学への進学を目指し,年々合格率を高めています。
高等学校において多くの学校では,教科に関わらず毎年使用すべき教科書と副教材を考えることに時間を費やしているのではないでしょうか。選んだ問題集や参考書が実際に授業展開のなかでいかせていけるか。生徒のレベルにあっているか,類題の量や入試対策の内容など悩むところであります。限られた時間の中で多くの課題を与えても生徒は消化できずにやり終えることのできなかった教材が本校でも過去にありました。
男女共学・中高一貫教育になってからあまり時間はたっておりませんが,特進コースなど国公立大学を志望している生徒が年々増加してきましたのでしっかりと軸となるものはないかと検討していたところ啓林館の教材であるフォーカスシリーズを見つけ,副教材として使用することになり今日を迎えることになりました。フォーカスを使用した授業内容とさらに我が校独自の教材などを紹介したいと思います。
1年次においては特進コースの授業で,全員がフォーカスを使用し,2年次の理系コースでかなりの割合で問題集を使えるように授業を行っています。生徒は初め,授業と問題集の使い方に戸惑っていましたが教員の指導のもと,例題・練習・step upと入試対応には*印の数でレベルを把握し2年次後半には各々がフォーカスゴールドを使いこなしていけるようになり,受験=フォーカスとなってスムーズな授業展開になりました。文系もフォーカスアップを使用し理系と文系が数学において良い意味で競い合っているように思います。
一般受験において,フォーカスシリーズが定着した頃,センター試験に十分対応できる力をつけるため,新たな教材を探していたときに某予備校講師と問題集,参考書の話で盛り上がり,私が教えている生徒に最も適した教材を自ら作ってみようと思い,学校独自のオリジナルセンター試験対策問題集を予備校講師の協力のもと,作り上げ,まずは数学Ⅰ・Aの内容より手がけることになりました。内容は3つのSTEPに分けSTEP1では基本公式の再確認,STEP2ではセンター過去問の小問題をあげ,STEP3ではchallengeとして大問題を載せてSTEP1・2で学んだ内容の応用として生徒に解かせました。項目は大きく6章に分け,数と式から平面図形まで順に進むように作り,生徒は1年終了から2年の春休みに初めてこの教材を渡され,休み中に一度終える事を毎年行うことが恒例になり,この時期に行った数学の範囲は模試などの偏差値結果にも表れ,定着するようになり,この教材を使い勉強を行った生徒がセンター試験を受け平均点がアップしてきたことをみて,この問題集を作ることに間違いはなかったと確信しました。ただこれからセンターの内容も変わりつつあり,新たな教材作りを考え,生徒の得点アップをこれからも考えていきたいものです。
新たなセンター対策問題集・特に数学ⅡBの内容をどのようにつくりあげていくか?
前カリキュラムにおける数学Ⅲの問題集をセンター対策の翌年に作り上げましたが,新カリキュラムにおける数学Ⅲの問題集の再検討など。
ゆとり教育も終わり新たな対策とアイデアが各学校の大きな課題になっていくことで,教材とともに教員の研鑽のさらなる必要性を求められる時代に入って来たのではないでしょうか。