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朝の基礎トレは,単元の学習に至るまでの基礎的な計算力をつけるうえで有効である。
4年生では,わり算の難しいところは,たし算・ひき算・かけ算のすべてができないと解けないというところである。不確かな学力のまま進んできた子どもにとっては,わり算は苦痛以外の何ものでもないのだろう。九九は朝の基礎トレでも気をつけて復習させてきた。
わり算の筆算では,ひき算のまちがいが意外と多いことがわかった。基礎トレにくり下がりのあるひき算を取り入れる必要を感じた。また,商の一の位が0になる場合や商の真ん中に0がたつ場合に注意が必要であることがわかった。
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音声計算は全員が声を出すことにより,授業への意欲づけを図った。計算を声に出して行うことにより,その後の授業のリズムをつくることができた。また,5年生の小数のかけ算では,整数のかけ算と基本的には同じであり,下地づくりとして有効であった。
アルゴリズムを唱えることで,計算領域を学習中は誤りが比較的少なくなっていた。
下位の児童も意欲的に取り組む姿が見られ,計算の練習問題でも成果がみられた。しかし,忘れやすいのが児童の特徴である。
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【アルゴリズム えーっと 一の位から計算して】 |
この操作を忘れないようにするためにも,朝の基礎トレなどの時間を使って反復練習が必要である。
アルゴリズムいわゆる計算の手順は,簡潔でしかも覚えやすいものでなければならない。3年生のたし算の筆算においては,プリントに記入して発表する人と板書する人という手段をとったが,繰り下げマンや一の位君,十の位君といった役割を分担するなどの工夫により,飽きずに繰り返し学習できることがわかった。
アルゴリズム並びにそれを復唱する工夫もさらに考えなければならない。
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コース別プリントにおいては,同じ内容ながら問題数を変えたり,ときには計算がしやすい問題にしたりと配慮した。どちらのコースを選んでも次に進めるので意欲を高めることができた。音声計算とともに計算の内容はさらに検討していく必要がある。
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ふりかえりカードに書かせることは,1時間の学習内容をふりかえり児童一人一人にわかったこと,わからないことを問いかけ自己評価させるものである。これは,到達度を自己評価する手段であるとともに,「わかった」「できた」という満足感は次のステップへの意欲づけにもなる。満足感を得られなかった児童にとっても,「次はがんばるぞ」と意欲をもたせたいと考える。
わかりづらかった箇所を明らかにして記入することにより,そのつまずきの内容を朝の基礎トレで反復練習をしたり,音声計算で取り入れたりすることにより,習熟を図っていきたい。
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意欲をもたせる工夫は限りないものである。4年生では『たてかけひく夫』君の登場でとたんに教室が活気づいたり,アルゴリズムリレーでわり算筆算をやると目を輝かせたりする児童の姿を見た。児童の意欲を湧き立たせるような教材への工夫をこれからも考えていきたい。 |