(大阪)上宮中学校・高等学校 栗栖 有文 |
1.はじめに 教科書等にも教材として採用されている,手作りスピーカーについてのKNOW-HOWを紹介します。このスピーカー及びその製作過程の特徴は次のとおりです。
筆者は,学校説明会の一環として,小学校6年生対象の体験授業でも,この電気工作を中学生に補助させながら50分で実施しています。 2.用意するもの(5名程度を1グループとして理科室で実施した場合)
3.スピーカー製作の手順(生徒の作業) 図2 スピーカーの作り方
4.演示例(シナリオ)
5.発展学習 スピーカーを発信機,マイクロホンを受信機に見立てれば,空間を伝わる磁場の変化を媒体とした通信が可能になるだろう。部活動レベルで取り組んでみてはどうだろうか。 6.おわりに このスピーカーの音質は,使われている振動体によって大きく変わります。特に,厚みのあるバインダーと段ボール箱を振動体にしたものは驚くほど音質が良く,市販のスピーカーと比べても遜色はありません。段ボール箱を振動体にする場合,厚み,形,コイルと磁石の距離によっても音質が異なります。印刷機のインクやマスターの入っていたようなしっかりした,やや奥行きのある段ボール箱が良さそうですし,3(2),でのセロハンテープの貼り方を工夫して,振動体からやや磁石を離すようにした方が良いようです。 筆者には,磁場の変化は緩慢であるようなイメージがありましたが,今回の実験を通じて,案外機敏に変化するものなんだということを実感しました。 最後に,余談になりますが,筆者はこれまでの経験から,この実験のみならず,電気工作における成功の秘訣は,電気工作マニアの生徒を見つけることにつきると思っています。部品屋の場所から,アンプに関するノウハウまで何でも知っています。生徒であっても,やはり,マニアというのは凄いものです。 |