学ぶ意欲を高める課題学習について |
島根県益田市立高津中学校 |
林 衛 |
1.はじめに
平成元年3月,課題学習が教育課程の中に正式に位置づけられた。問題を解く技術を中心にした「受験数学」が大半を占めていたそれまでの学習内容に改善が加えられることを知り,喜びを感じたものである。早速,教科書の章末についているトピック問題を課題に選んで授業したが,その結果は惨めなものであった。私の指導方法が未熟であったことはもちろんのこと,課題内容がやや難しく,教科書の内容を十分に理解していないと取り組みにくい課題だったようで,生徒は退屈してしまった。これでは,課題学習をやっても,従来の学習と比べて何も変わっていないのではないかと,大いに反省させられた。 生徒が数学の学習に意欲的に取り組むことができるよう,課題学習が設定された意義をもう一度確認しながら,その題材はどのようなものが望ましいかを中心に考えることをはじめた。 今回は,いくつかの実践のうちから1つ紹介してみたい。
2.学習指導案(第3学年)
3.指導と評価の計画(3時間)
4.本時の学習
<編集部注記> 「エジプトひも」は,印をつけて12等分された輪になったひもで,岐阜東高等学校の亀井喜久男先生が,古代エジプト人が縄を使って直角をつくったと伝えられている話をもとに,古代の数学と現代を結ぶ教材として考案され,命名されたものです。発表されたエジプトひもに関する論稿の中では,このひもを使ったいろいろな図形(直角三角形はもとより,正方形,長方形,正六角形等)の作図方法も紹介されています。詳しくは,亀井先生のホームページ http://www.ctk.ne.jp/~kamei-ki/index.htm をご覧ください。 |