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問題提示 (15) | 「梵天の塔」 −今も続く山中の勤行− ベナレスのバラモン教の大きな寺院の庭で,1人の僧侶が大きな梵天像の前で「世界の終わり」という問題の勤行をしているというのです。それは,ダイヤの柱に64枚の金の円板がさしてあって,その黄金板を次の3つの掟に従って,一方の柱に移していく作業です。 <移動の掟> (1) 円板を動かすのは1度に1個 (2) 小さな円板の上に大きな円板をのせてはいけない。 (3) 円板の移動には,他に1本の補助柱を使うことができる。この掟に従って64枚の黄金板を,他の柱に移し終えたとき,この世界は滅んでしまうというのですが,「世界の終末」はまだまだというのです。そんなにかかるものなのでしょうか。今,この操作の回数について考えてみましょう。 | <資料>プリント ・プリントを配って問題を読ませる。 |
| 本時の流れを説明する。 | <資料> コンピュータソフト ・生徒は前に集める。 ・やってはいけない例も見せる。 |
T1:ルールの説明 コンピュータで,2枚のときと3枚のときをやってみせる。 | T2:T1の説明を教具で実演する。 |
コンピュータを使って,3枚の場合を練習してみる。 |
T1:机間指導で,操作やルールの確認をする。 | T2:机間指導で,操作やルールの確認をする。 |
問題解決 (32) | 課題に取り組む。 | <評価1> 積極的に取り組んでいるか行動で評価する(関心・意欲・態度)。 <資料>アクリル板 ・補助教具としてアクリル板を使用する。 ・1人がコンピュータ,もう1人がアクリル板を使う。 |
T1:4枚,5枚の場合を最低移動回数を目標に作業をしてみることを指示する。 T1:机間指導でルールが飲み込めない生徒を指導する。 | T2:アクリル板,フロッピーを配付する。 T2:机間指導でルールが飲み込めない生徒を指導する。 |
12枚のときの移動回数を求めてみる。 |
円板の枚数が6〜10枚までのときの移動回数を,コンピュータの画面を通して予想しながら調べ,12枚のときの移動回数を予想する。 | <資料>プリント ・予想と実際の移動回数が書き込めるプリントを配る。 |
T1:5枚までできた生徒にプリントを配付する。 | T2:5枚までできた生徒にプリントを配付する。 |
| ○予想される生徒の反応
| <評価2> 自分なりの方法で考えているかノートで評価する(考え方)。 ・T1 ,T2 で連絡をとり,生徒の考え方を確認し合う。 |
T1:机間巡視で考え方のアドバイスと指導をする。 | T2:机間巡視で考え方のアドバイスと指導をする。 |
12枚のときの移動回数を発表する。 | <評価3> 関数的な見方をすることができるかノートで評価する(考え方)。 |
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簡単に計算で求める方法を考える。 |
枚数 | | 回数 | 枚数 | | 回数 |
1 | 2=21 | 1 | 7 | 128=27 | 127 |
2 | 4=22 | 3 | 8 | 256=28 | 254 |
3 | 8=23 | 7 | 9 | 512=29 | 511 |
4 | 16=24 | 15 | 10 | 1024=210 | 1023 |
5 | 32=25 | 31 | 11 | 2048=211 | 2047 |
6 | 64=26 | 63 | 12 | 4094=212 | 4094 |
枚数をnとすると,回数は2をn回かけて1をひく。
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・移動回数だけでなく,考え方についても聞いてみる。 ・「2n−1」の式については無理に出さない。 ・考え方に早く気がついた生徒には,梵天の塔の問題を考えさせる。
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まとめ (3) | 実際には実験することが困難であっても,関数的な見方をすれば解答を得ることができる。 264 →約1844京 *1秒で1回動かすとすると,約5800億年かかる。 | ・実際には実験が困難な課題であっても,関数的な見方をすることにより解決できることを強調する。 |