授業実践記録

数字とのふれあい 〜計算力から創造性へ〜
岡山県備前市立備前中学校
大守 徹
日下 和弘

1.主題について

創造とは
新たなものを作ることである。
数学で言えば,どんなことが考えられるか。
 
斬新な発想。
新たな理論により,問題が解決されること。
数学の世界を広げる新たな枠をつくりあげる。


2.創造性の基礎とは

創造=斬新な発想
創造性の基礎とは・・・・
数字に対する探求心を培う
「数に触れる」経験をふやす
            
  直観的思考力へつながる
数にふれるという経験が数字に対する直観的思考力,たとえば9+3という問題に対して論理的にではなく直観的に「12」と答えられると言うようなことにつながると仮定した。また,直観的思考力が数列などの規則性に見通しを持てるような力,さらに身の回りに起こっている現象,たとえ実際に数字で表れていないようなことでも見通しが利く力になると仮定した。

計算練習に着目
 
n 速くできた。
n 正確にできた。
n 興味をもつことができた。
n 授業へのウォーミングアップ。
  直観的思考力


3.備前中学校の概要

生徒数   1年174人 5クラス(全時間少人数制)
    2年162人 4クラス
    3年168人 5クラス(1時間少人数制)
実施学年 1年全クラス
生徒の実態
数学の得意な生徒と不得意な生徒の差が大きい。集中力に欠ける生徒もいるが,おおかた,興味関心をもって,授業に臨むことができている。


4.生徒の数字に対する直感的思考力を育てる

今回の研究における具体的な取り組み
実施方法
授業の導入時に単純計算練習(別紙
                    
  1分間を目標に,30問の単純計算練習
                    
  計算を終えた後は,教員が解答を読み上げる
                    
  毎回の結果をチェックシートにタイムと正解数を記入

どのように,創造性を測るか
 
最初と最後にテストを実施する
計算力との相関関係を調べる
  成果と反省
 
n エクセルで毎回の計算練習の結果を入力し,タイム・正答数の推移を調べる。
n テスト結果との相関関係を調べる。
n 生徒の感想
n 教員の視点から

POWER UP!! チェックシート


テスト1 テスト2
   
POWER UPシート  
 


第1回計算練習タイムと規則性テスト結果の相関関係




計算練習タイムの推移(平均)



計算練習タイムの向上と規則性テストの点数の向上の相関関係



正解数の伸びは計算練習実施前と3ヶ月間の計算練習実施後との比較。

タイムの伸びは最初の計算練習と最後(3ヶ月後)の計算練習の結果との比較をしたもの。


生徒の感想から
前より計算が速くできるようになってもっとやりたいと思った。
最後になったときは少しつらかったが,だんだん早くできるようになってうれしかった。
授業のウォーミングアップになった。
普段あまりやらないので,よいトレーニングになった。


5.研究を終えて 反省と課題

授業の導入で計算練習をすることにより,生徒の授業や数学に向かう気持ちを育てることにつながると考えられる。
計算練習により,数字に関する直観的思考力は培えたと考えられるが,今後,論理的思考力へとつなげる必要性がある。
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