千葉県木更津市立木更津第一中学校 細家 一夫 |
1.はじめに 数学は,人がよりよく生きようと積み重ねてきた叡智の結集である。古代エジプトのピラミッド建設から現代のコンピュータシステムの構築や量子力学に至るまで,数学は人の歴史において,様々な問題の解決に活用されてきた。数学教育の今日的課題として,基礎・基本としての計算力や知識の定着を目指すことはもちろんだが,数学という学問が,いかに人の生活を豊かにしてきたか,また,これからの時代にどれだけの可能性を秘めているのかを子供達に伝えていくことは,数学教育の今後の大きな課題であると考える。今から200年前,江戸時代中期に,日本ではじめて実測により正確な日本地図を作製するという大事業を成し遂げた伊能忠敬という人物がいる。精密な測量器具もない時代に,彼はいかにして正確な日本地図を創りあげたか,その秘密に焦点をあてることにより,数学の良さ,有用性について体験させていきたいと考え,本授業実践を試みた。 2.指導計画 正規の授業とは別に,生徒の希望による「特別授業」という形で実践した。実際の授業は,3学期の後半に1年生の希望者9名により,放課後,休日を利用して実施した。
3.伊能忠敬の測量方法と誤差をなくす工夫について 【主な測量方法】
【測量の誤差を少なくする主な工夫】
4.実際の指導 【第1校時展開略案】
【第3校時展開略案】
5.生徒の感想(伊能忠敬記念館での調べ学習を終えて)
6.成果と課題
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