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模型や展開図が与えられれば,非常に素直に反応を示してくれた。最も苦労した点は,作図の仕方である。正二十面体の展開図は,正三角形が20個あればできる。しかし,正三角形をかくことができない。コンパスを使って円を描くことはできるが,等しい長さを測る道具として使えない。
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正三角形の一つの内角が60°であることを知っていても,三角定規の中に60°があることを知っていても,正三角形を作図することができない。
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また,作り方がわかっても,辺を延長してコンパスで長さを区切れずに,一から作る生徒も多かった。単純作業を繰り返しても,できることはできるので,間違えということではないが,より簡単な方法を見つけることができないようである。
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生徒にとって,試行錯誤を繰り返しながら取り組むというのは,面倒なことだろうと考えていたが,かきやすい方法に出会うことで,「もっときれいにかきたい」と強く思うようである。多くの生徒が,やり直したり,新しい紙にかき直したりしていた。
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授業では,あらかじめ展開図の完成したものを提示していたため,自分の手で完成できたものには,達成感があったようである。
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正二十面体の展開図ができ上がったところで,頂点を区切るが,各切り口を合同な正五角形とするためには,各辺を三等分すればできることは,比較的容易に気がついてくれた。
しかし,組み立てることで各点に集まっていた辺が5つになることは,組み立ててはじめて気づく生徒も多かった。
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完成品を見て,生徒たちには一様に感激していた。立体としての美しさと,サッカーボールという身近な立体を自分たちの手で作ることができたことがうれしかったようだ。
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