北海道苫小牧市立勇払中学校 星野 和明 |
1. はじめに 「子どもの基礎学力の低下」は,もはや目をつぶっていてはならない事実である。ニュースを目にするときには,信じたくないと思いがちになるが,現場にいるものとして,深刻な問題となっている。掛け算の九九を理解していないもの,10までの整数の分解に難色を示すもの,基本的な図形の名称を理解していないものなど,どれをとってみても,「そこまで教えなくてはならないのか?」と日々頭を抱えている。 今の子どもにとって,経験する時間が圧倒的に少ないのではないだろうか。これは,授業時数に限らず,長さを測ったり,はさみで紙を切ったり,組み立てたり,壊したりという「手を動かす経験」が少なく思えてしかたがない。原因はさまざまだろうが,経験不足の子どもにどのように教育を施していくべきか。それが教育現場に求められる重点課題の一つであろう。 2. 授業の実際
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