京都府船井郡和知町立和知中学校 平井 浩一 |
1.単元設定の理由 3年生の1月となると,教科書の内容もほとんど終わり,受験に向けての復習が中心となる。しかし,受験に向けての復習の繰り返しだけでは,面白味に欠ける授業となる。そこで,数年前から教科書の指導が終わったあとで,教科書には直接出てこない内容を数時間取り入れることにしている。また,2年前から文部科学省の学力向上フロンティアスクールの指定を受けたことをきっかけとして,本校でも,少人数授業が始まった。本校での少人数授業の形態は,単元ごとにアンケートを実施して生徒選択による習熟度別授業を進めており,本単元の内容はBコースの生徒を中心に進めた。この時間を通して,生活の中に数学の考え方がいろいろと利用されていることや数学の便利さ,有用性などを理解し,数学の必要性や興味・関心を深められるように指導していきたいと考えている。 2.単元の目標 【数学への関心・意欲・態度】
【数学的な見方や考え方】 ○具体的な問題事象を,様々な視点から考えることができる。 【数学的な表現・処理】
【数量,図形などについての知識・理解】 ○面積の公式など既習の学習内容を理解することができる。 3.単元指導計画(全3時間)
4.本時の展開 ●第1次 ●第2次
●第3次
5.生徒の感想
6.終わりに 「単元設定の理由」で述べたように,本校では,「平成14・15・16年度 文部科学省指定 学力向上フロンティアスクール」として,数学科を中心に研究を進めている。その研究の柱の1つに,『生徒の理解を深める適切な教材・教具の開発』を設定し,教材・教具の開発に努力を積み重ねている。本指導案もその研究の一端で,数年前までは,断続的に指導してきたものを今回整理し,連続的に授業を行ったものである。 生徒の感想にもあるように,ほとんどの生徒が,今回の授業を楽しんで,また意欲的に取り組むことが出来たようである。第1次で,タイルの形が3種類しかないことを証明して見せた時や,第2次で,正三角形のふたでは,落ちてしまうことを計算で求めたりしたときには,生徒から歓声と拍手が起こった。やはり,教科書だけではなく,生徒の学力実態に応じて時には,やや発展的な内容に取り組むことにより,生徒の意欲の向上につながることが確認できた。生徒が興味を持つような教材を意欲的に探していかなければならないことを痛切に感じた。 しかし,限られた授業時数の中では,教科書以外のことを指導することはなかなか厳しいものがあり,また,生徒の実態に応じた適切な教材・教具を開発していくこともなかなか難しものがある。けれども,今後も出来るだけ,課題学習的な内容も取り入れながら,少しでも数学の好きな生徒を増やしていきたいと考えている。なお,本校の研究の様子は,本校のホームページで公開していく予定である。 [和知中学校ホームページURL http://academic3.plala.or.jp/wachijhs/] 〈参考文献〉 ・スクール21 RANK UP講座 ・平成15年度京都府公立高等学校 学力検査問題 |