岡山県笠岡市立笠岡東中学校 高田 京子 |
1.はじめに ここ数年,課題学習についての研究も進み,文献やホーム・ページ等でも多くの事例が発表されるようになってきている。 個人的には,課題学習の出始めの頃の「マッチ棒や碁石,多角形を一定の規則性で並べて数え,数式化していく問題」が好きで,どの学年,どのクラスで実践しても,おおむね満足のいく授業になっている。しかし,課題によっては,生徒にとって難しすぎたり,数学的な価値が見い出せず,後味の悪い授業になるものもある。 今回紹介する実践事例は,生徒の興味・関心を引く題材ではあるが,数学的な発展性という面では,今一歩であると感じている。もし,もっと,数学的な価値を高めることのできる指導法があれば,発展させていただきたいと考えている。 2.題材とねらい ワールドカップ開幕の直前,「 ぼく,ハングルが読めるよ。」と,うれしそうに言ってきた生徒がいた。一見難解なハングルも,ルールさえわかれば読めるというのである。韓国への関心の高まっていた時期でもあり,これを課題学習として取り上げることにした。数学のどの単元に結びつけようかと悩んだが,無理をせず,数学的な見方や考え方の学習ととらえ,つぎのように,ねらいを設定した。
3.授業の実際(3年の課題学習として設定)
4.おわりに ハングルの表の作成,3方向の投影図から空間図形を求める,など,多くの生徒が興味をもって取り組むことができた。数学的な発展性としては,点字を2進法につなげたり,座標やベクトルへの発展も考えられたが,今回は,「数学的な見方や考え方」の範囲で留めた。実施学年は3年生であったが,1年生でも十分可能な授業である。授業での生徒の学習状況や提出レポートは,評価におおいに役立てることができた。 最後に,生徒の感想を紹介して,授業の評価の一部に替えることにする。
|