本校では,どの学年の生徒も落ち着いて学習に取り組む状態が継続している。また,対話的な活動を学級経営と授業の双方で計画的・組織的に組み込んでおり,相手の話を聞くことや自分の考えを伝えること等の対話の基本ができてきている。一方で,妙高市が推進する読解力向上に向けた授業改善や実践の蓄積,生徒1人1台端末の有効活用に向けた研修の充実などが課題である。本年度は,「高め合う」生徒像を構成する学級経営・授業展開の工夫の土台として,ICT機器の活用と読解力向上の授業改善を中心に研究推進を行ってきた。
①意欲的に学習活動に取り組む生徒
②互いに学び合いながら学習活動に取り組む生徒
①ICT機器の活用
②中学校区における学力向上の取組
③読解力向上の取組
①道徳でのロイロノート・スクールの活用
道徳ではロイロノート・スクールを活用した学習活動が展開されている。大型モニターと連動して,全体で考えを比較したり,共有したりする活動に効果的である。
総合での発表活動の様子
総合での発表活動の様子
②総合的な学習の時間での実践
2学年の総合的な学習の時間では,パワーポイントやロイロノート・スクールを活用して発表活動を行っている。例えば,自己紹介スライドを作成してグループで発表したり,SDGsについて調べ学習をした成果をグループで共有したりした。
社会科での実践の様子
社会科での実践の様子
③社会科での実践
1学年の地理的分野の学習でアメリカのブラウン大学惑星地質の上院研究員である廣井孝弘様とZoom(ズーム)でつなぎ,地球の姿や惑星の話を聞き,生徒は「地球と他の惑星の違い」を考え,質問しながら学びを深める実践を行った。
校内研修授業では読解力の視点を指導案に組み込みながら,各教科部で実践を行った。
理科での実践の様子
理科での実践の様子
①理科での実践
タブレットで撮影した画像を用いて,細胞の特徴を捉えたスケッチを行い,作成したスケッチに細胞の特徴を自分の言葉で表現する活動(イメージ同定)や,スケッチを比較しながら植物の細胞における共通点について,自分の考えをまとめる活動(推論)などを行った。授業では,個の学習だけでなく,グループでの対話的な活動をもとに考えを広げさせていた。
②国語科での実践
報道文の学習では,記事と記事の関係を図示化することを通して読解力の育成を図った。生徒はロイロノート・スクールのダイアモンドランキングを用いて,自分が選んだ記事について紹介し,プレゼンテーションを基に三大ニュースを作成する。その際に,ダイアモンドランキングに整理した記事について,キャンディーチャートに理由と根拠を書き,考えを整理することや(イメージ同定),キャンディーチャートを発表する際に文章の構成や論理の展開が適切かを既習の知識を基に考える(推論)などをした。
ICTの活用は,生徒の学びの幅が広がるとともに,遠隔地との連携や画面上での共有など新たな対話的活動の方法も見えてきた。また,読解力については現在の授業を見直す機会となっている。今後はそれらの実践の共有化を図りながら,学級経営や授業力の向上に共に高め合う職員集団を目指していきたい。