前学年までに数量を□,△などを用いて表し,その関係を式に表したり,□,△などに数を当てはめて調べたりすることを学習してきている。ここではその理解の上に,数量を表す言葉や□,△などの代わりにxやyなどの文字を用いて式に表したり,その式をよみとったりして文字の使用に次第に慣れさせることをねらっている。
そのためには,言葉や,□,△などの代わりに文字を用いるようにして文字に対する抵抗を少なくすることが必要である。また,文字を使って式に表すことのよさに自ら気づくような教材や文字を使った式に表す活動の場を工夫していくことも大切である。
(1) 言葉や□,△などの代わりに文字を使って表すことの意味に自ら気づく教材
一方が変われば他方も変わり,それにはきまりがある。そのきまりに自ら気づくように身近なゲーム機ガチャポンを取り上げる。
(2) 文字を使った式のよさに気づかせる工夫
(3) 文字を使って式に表す際の定着のさせ方の工夫
「文字を使った式に表しましょう」
数量の関係をx,yなどの文字を用いて表したり,文字の値を数を当てはめて求めたりすることができる。
学習活動 | 発問と子どもの反応・指導のポイント | |
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1 | 教材①からきまりを見つける。 |
1つの物が何かの仕組みで変わって出てくるその仕組みは何かなと興味を持って追求できるよう,身近な日常生活の中から教材を取り上げる。機械の入り口にオタマジャクシを提示し,出口に何が出てくるか予想させ,段階的にひよこ→にわとり,子ども→大人と提示していきながら,機械にはきまりがあることを理解させる。 |
2 | 教材②からきまりを見つけ,式に表す。 |
簡単な数で,しかもきまりがいくつか考えられるような数を考える。 |
(1)数の式 |
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(2)言葉の式 |
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(3)○や△を使った式 |
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(4)文字を使った式 |
文字を使った式はx,yだけでなく□や△の式の時と同じようにいろいろな文字を使えることに気づかせ,変数の場合には約束事としてx,yを使うことを知らせる。
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3 | 学習活動2の考えを活かして文字を使った式に表す。 |
教科書の問題を取り上げるが,ここでは学習活動2の考えを活かして自力解決をさせる。文字式だけで止まっている児童には学習活動2のようにやってみようと声をかけ,文字を使った式の意味を考えさせる。 |
4 | xの値やyの値の意味を知り,yの値を求める。 |
ここではxに数を当てはめながら,xの値,yの値の用語と意味を知らせる。 |
5 | 練習をする。 |
一斉練習(教科書p53②)をした後,プリントの練習にも取り組ませることで習得を図る。 |
6 | まとめをする。 |
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(1) 「おもしろそうだ」「何だろう」という興味が湧くような身近な問題を教材にしたことで,ブラックボックスの中のきまりを見つけようと意欲的に学習に取り組めた。ここでは,ブラックボックスのきまりを整理し,数の式,言葉の式,記号を使った式で表す活動を入れながら,文字を使った式へと導いていったことで文字への抵抗がなく,スムーズに表すことができた。
(2) 文字はこれまで学習してきた記号などと同じように表すことができることを実感させるため,自分できまりを見つけ,数,言葉,記号,文字を使った式へと表していく活動をたくさん取り入れていくことが大切である。
また,文字式から記号,言葉,数,日常の事象へと振り返らせることが大切である。