ここでは,資料を分類・整理し,表を用いてわかりやすく表したり,読み取ったりすることができるようにすることをねらいとしている。そのためには,身近な事象について,整理の必要感をもたせ,落ちや重なりがないように整理する方法として,「正」の字で表すことのよさに気付かせることが必要である。
(1) 「おもしろそうだ」「調べてみたい」という意欲がわき,記録の必要性がおこる教材の工夫
身近な問題で,児童の興味関心のあるテレビのアニメを取り上げ,「どのアニメが人気があるか」を調べる。
- ①自分のクラス(挙手で)
- ②となりのクラス(事前に投票しておく)
※一人一枚投票させるが,人数によっては,二枚書かせてもよい。
(2) 「正」の字の整理の方法を知り,体験し,よさを実感させる工夫
児童が自分なりに考えた落ちや重なりがないようにするための記録の仕方を認めた上で,「正」の字の方法を早い段階に知らせる。「正」の字を使って整理することで,その便利さがわかり,他事象への活用ができる。
資料をわかりやすく分類整理する方法を出し合ってよりよい方法(正の字)に気づき,正の字を活用して整理することができる。
学習活動 | 発問と子どもの反応・指導のポイント | |||||||||||
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1 | 資料を見て学習のめあてをつかむ。 |
教材に興味をもたせ,どれが一番多いか知りたいという気持ちを起こし,日常的に使っている挙手の方法で数を調べさせる。 |
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2 | となりのクラスの人気アニメを調べる。 |
となりのクラスの人気アニメはどれかと問うことで,投票や記録の必要性を起こす。 記録の準備時間を少し取るが,あまり長く取らず読み上げていく。
記録の様子をみながら,読む速さを調節する。最後まで読み上げたいが,時間の都合では,途中でやめて記録の方法や困っていることを出し合わせてもよい。 |
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3 | (途中までの)記録の仕方を出し合い,検討する。 |
一人一人の記録の方法は大事にするが,新しい方法としての「正」の字を早めに知らせる。ここで「正」の字のかき方,数え方をおさえる。 |
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4 | 「正」の字を使った方法を知る。 |
学習シートを準備し,それに記録させる。板書の表には,代表の児童にさせ,確かめとする。
←14→ ○で記録したものと,「正」の字で記録したものを比べさせ,「正」の字で表すよさを押さえる。 |
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5 | 正の字を使って整理する練習をする。 |
日常生活の中から,学校の前を通る車を取り上げる。ここでは,通る車を絵に書いた巻紙で示しながら読み上げる。臨場感が出るようICTを活用することもできる。 |
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6 | 本時のまとめをする。 |
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(1) 身近で興味のある人気アニメの投票をしたことで,どんなアニメが人気があるか知りたいという意欲がわいた。また投票用紙を読み上げることで,記録の必要感もわき,何とか落ちや重なりがないように記録しようとする工夫も出てきた。
(2) 早い段階で「正」の字で調べる方法を確かめ,落ちなく調べられたことでよさを感じることができた。また練習の場で,再度調べる場を設けたことで,「正」の字で整理することが一人一人に定着できた。
(3) カードで,「正」の字で表した場合と○で表した場合を読み比べる活動では,読みやすさの視点から「正」の字のよさを確かめることができた。