算数実践実例集

3年　三角形

ここでは，三角形の辺の長さの相等に着目して三角形の特徴をとらえていくことがねらいである。そこで，二等辺三角形や正三角形を作ったり，仲間集めをしたり，調べたり，弁別したり，説明したりする活動を通して，図形の見方・考え方を育てていくことが大切である。

(1) 三角形が作りやすくて，「辺の長さ」に着目しやすい教具の工夫

(2) 目的をもって三角形を作る活動の工夫

(3) 自ら「辺の長さ」に着目していくための工夫

モデル的な三角形を3つ提示し，自分の作った三角形を同じ仲間に入れさせる。

＊提示する三角形は，特徴がとらえやすい形にする。

三角形を作ったり，辺の長さに着目して分類したりする活動を通して，二等辺三角形・正三角形の特徴をとらえ，説明することができる。

学習活動		発問と子どもの反応・指導のポイント
1	ストローで三角形を作る。	Ｔ今日はストローで三角形を作ります。何本使いますか。Ｃ 3本です。Ｔ先生が1つ作ってみますね。Ｔでは，箱の中から3本選んで，三角形を一つ作りましょう。Ｃわたしは，全部違う色で作ろう。Ｃぼくは，赤を2本と青を1本で作ろう。三角形の作り方は具体的に作って知らせる。その場合，実態に応じて子どもから出にくいと思われる三角形を作る。ここでは，二等辺三角形を作ってみせた。
2	三角形の仲間集めをする。	Ｔ先生も作りました。自分の作った三角形は，どの仲間に入りますか。Ｃ全部同じ色だからこの仲間かな。Ｃ直角があるから，この仲間にしよう。教師が3つの三角形を提示することで，形ではなく辺の長さに着目した仲間集めをさせる。その際，全体の形や直角に着目している子どもやどの仲間に入れるとよいか迷っている子どもの声を大切にしていく。
3	仲間集めの結果について話し合う。	Ｔ仲間集めは，これでいいですか。Ｃ二本色が同じ三角形の仲間の所に全部色の違う三角形が入っているので，それは③の仲間だと思います。Ｃ直角がある仲間も③だと思います。Ｃ直角？ぼくは，ストローの色で仲間集めをしていると思います。Ｔ色で仲間集めしているんだね。Ｃストローの色がちがうということは，辺の長さがちがうということだと思います。Ｃそうか，だからさっき直角があると言っていた三角形も③の仲間だ。直角に着目する子どももいると考えられるが，話し合う中で，ストローの色で仲間集めをすることをおさえる。その後，ストローの色の違いは辺の長さの違いであることに気づかせていく。
4	三角形の名前と定義を知る。	Ｔこの三角形の仲間には，名前が付いています。用語については，特徴をとらえた名前つけを工夫させるとよい。また，形式的に教えるのではなく漢字の意味を知らせる。
5	二等辺三角形と正三角形を作る。	Ｔ残っているストローで「二等辺三角形」と「正三角形」を作りましょう。Ｃ同じ色（長さ）のストロー3本で「正三角形」を作るぞ。Ｃ二等辺三角形も簡単にできそうだ。用語と定義を意識して，それぞれの三角形を作らせることで，用語と定義の確実な定着を図る。
6	練習問題をする。	練習①　カード学習形，位置，大きさに関係なく三角形を弁別できるようにする。練習②　教科書の問題教科書の問題では，直感的に子どもたちが見分けた後，コンパスで確かめさせる。練習③　身の回りから三角形を探す身の回りから二等辺三角形や正三角形はなかなか見つけられないので，教師が学校や地域で見つけた三角形を写真で提示する。
7	まとめをする。	できるだけ用語と定義を使って，自分の言葉でまとめさせるようにする。