かけ算(1)でかけ算の意味や構成について学習し習熟してきている。ここでは,その考えを活かし,自分の力で九九を構成したり,きまりを発見したりしながら,6の段の九九を身に付けていくことをねらっている。
(1) 児童自らが九九を構成していくための問題や方法の工夫
① 身近な買い物の場面を提示する
- 箱入りのドーナツを提示することで,6個入りのドーナツが5箱分で6×5ととらえ,6の段の学習をするというめあてがつかめる。
② 構成していく方法や手順を知らせる
- 学習の方法や手順を示し,かけ算(1)の時のやり方と同じことを確認することで,解決の見通しを持つことができる。
(2) アレイ図の見方,使い方がスムーズにできるようにするための工夫
(式)
(半具体物の図)
(アレイ図)
初めてアレイ図を使った九九の構成は,使い方が理解できない子もいて,そのよさがわかりにくい。そこで,式とアレイ図をつなぐための半具体物の図を取り入れていくと理解しやすくなる。
これまでのかけ算の答えの出し方を使って,6の段の九九を構成することができる。
学習活動 | 発問と子どもの反応・指導のポイント | |
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1 | 挿絵を見て本時のめあてをつかむ。 ぜんぶで何こでしょう。 |
挿絵を提示し,6の段のかけ算の場であることをとらえさせる。 |
2 | 6の段の九九を構成する。 |
初めてノートに自分で書いて作っていくので,不安な子もいると予想される。そこで,具体的に九九を作る手順を示し,方法を知らせる。また,どのようにして答えを出したかがわかるように式の横に書かせる。
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3 | 答えを出し合い,九九を作り上げる。 |
答えを出し合い,九九を作り上げる。
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4 | 図と式を結びつけて,6×5の答えの出し方を考える。 |
6×5の答えの出し方を考えさせることを通して,6の段でも九九のきまりやたし算の式が使えることを知らせる。
6×5の答えの出し方が形式的にならないように,半具体物の図を小黒板に貼っておき,式と結びつけさせると,その図で九九のきまりを使った説明ができる。
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5 | アレイ図で6の段の九九を確かめる。 |
操作用紙として2色の色画用紙を準備し,6の段を順に作らせ,使い方を知らせる。
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6 | 九九の唱え方を知る。 |
間違いやすい,6×7,6×8,6×9は何度も言わせる。また,何度か唱えさせた後はかけ算の唱え歌CDに合わせて楽しく練習させる。 |
7 | 練習問題をする。 |
はやく終わった児童には,九九を唱える練習をさせる。 |
8 | 本時のまとめをする。 |
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(1) 6個入りのドーナツの絵を提示することで,6の段の構成をするという課題を児童自らつかむことができた。
(2) かけ算(1)から手順を示し同じ方法で九九の構成を経験していくことで,かけ算(2)では既習事項を活かしながら,自分の力でノートに九九を構成することができた。また,シートを使わずノートに九九を作ったということが子どもたちの喜びにつながった。
(3) アレイ図につなげるために半具体物の図を扱うことで,アレイ図の見方や意味の理解を深めることができた。