ここでは,かさを測る活動を通して,「長さ」と同様に,普遍単位を用いることの必要性に気付かせるとともに,それを用いて正しく測定できるようにすることをねらいとしている。また,かさのおよその見当を付けたり,単位を用いて測定したりしながら量感を育てていくことが大切である。
(1) 「測ってみたい」と意欲のわく教材の工夫
形が違っていて、見ただけではどちらが多いか予想がつきにくい入れ物
1dLますを使って測定できる身近なペットボトルに色水を入れて提示する。そのかさ比べをすることで,調べたいという意欲を持って測定することができる。
形が違っていて,見ただけではどちらが多いか予想がつきにくい入れ物(2) 量感をもって正しく測定する活動の工夫
第一段階
共通の容器を測る活動(牛乳パック)給食の牛乳パックを使い,測定の仕方を再確認する。
第二段階
身の回りの物から選んで測る活動黒板に掲示する。カードをめくると正しい水のかさが分かるようにしておく。
かさ調べでは,何dL入っているか見当づけて測定させる。測定した後は正しく測れたかどうか確認できるようにする。そのことでより正確に測定し,かさの量感も付くようになり,身の周りの入れ物の量に関心をもつようになる。
かさ比べを通して,かさの単位dLについて知り,1dLますを使って水のかさを測定することができる。
学習活動 | 発問と子どもの反応・指導のポイント | |
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1 | どちらの水のかさが多いか予想し,比べる方法を出し合う。 |
高さや太さに着目して予想させながら,比べる意欲や測定の必要感を引き出すようにする。
これまでの比べ方を絵で提示しながら確認する。その後,プリンカップ,給食のヨーグルトカップ,透明のプラスチックカップ,dLますを提示し,その中から1dLますを選ばせる。ここでは,デシリットルの用語は出さない。 |
2 | 1dLますを使って,水のかさ比べをする。 <ワークシート> |
できるだけ同じdLますを用意する。また,記録の仕方,測定の方法を具体的に知らせ,グループ(4人)で役割を分担して測定できるようにする。
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3 | 1dLについて知る。 |
長さの単位と同様に,水のかさにも単位があることを知らせる。 また,書き方はていねいに指導し,シート(罫線入り)で練習させる。 |
4 | 1dLますを使って,給食の牛乳パックに入る水のかさを測る。 |
教師が最初に共通の物を測ってみせ,測定の仕方を再確認する。 |
5 | 身の周りの入れ物の水のかさを1dLますで測る。 |
まず,何dLか予想し測定するようにする。正しいかさを黒板に貼っておき,測定できたら自分達で答えを確かめさせる。 測定は,順番に経験させ全員が体験できるようにする。 |
6 | 本時のまとめをする。 |
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(1) 見ただけではどちらが多いか分からない身近な入れ物を提示することで,調べてみたいという意欲を持って測定をすることができた。
(2) 正解を自分たちで確認させたことにより慎重に量を予想したり,正確に測ろうとしたりする姿が見られた。
(3) 1dLますを使って様々な身の回りの入れ物のかさを測定する活動では,「何dLくらい入りそう。」と,見当づけて測定したことで量感がついてきた。