第2学年では,長さについて,普遍単位を用いることの必要性に気づかせ,単位の意味を理解させ,それを用いて測定できるようにすることをねらっている。
そのためには,身の回りにあるものから長さを見付けて比べたり,ものさしで測ったりする活動を通して,測定の仕方や普遍単位の大きさをとらえたりすることが大切である。
また,1年時の学習「直接比較」や「任意単位を用いた大きさの比較」をもとに,普遍単位の必要性とよさに気づかせる活動も大切である。
(1) 身の回りのもので長さを意識し比べてみたいという意欲のわく教材と提示の工夫
靴のサイズは,日頃,耳にしているため長さとしてとらえやすい。そこで,先生の靴の長さを位置や色を変えて提示することで,誰が一番長いか調べてみたいという測定の必要性がわき,意欲的に測定することができる。
(2) 1cmの必要性に気づき,測定の意味が理解できるような算数的活動の工夫
3種類の長さをそれぞれ違う大きさの目盛りのものさしで測る活動を取り入れることにより,同じ大きさの目盛り(1cm)のものさしの必要性に気づかせることができる。
また,1cm目盛りのものさしでいろいろな物を測ったり,10cmの長さの物を見付けたりして,長さを正確に表せる体験をさせることにより,長さの単位(1cm)と測定の意味を理解させることができる。
靴の長さ比べに関心をもち,同じ大きさの目盛りのものさしの必要性に気づくことができる。また,長さの単位1cmを知って,長さを表したり簡単な長さを測ったりすることができる。
学習活動 | 発問と子どもの反応・指導のポイント | |
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1 | 誰の靴が一番長いか予想し,比べる方法を話し合う。 |
子どもたちにとって身近な先生の靴の長さを取り上げ,「一番長い靴はどれか」予想させることで,測定の必要感をもたせ,ものさしでの測定につなげる。ここでは,見ただけでは判断できないよう,線の太さ,色,位置を工夫する。 |
2 | 目盛りの長さが異なるものさしで長さを測り,結果について話し合う。 |
普遍単位の必要に気づかせるために,1cm区切りは23cm,3cm区切りは24cm,5cm区切りは25cmを列ごとに与え,測らせる。
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3 | 同じ目盛りのものさしで測定し,1cmを知る。 |
測定の結果を見つめさせることで,目盛りの違いや不合理さに自ら気づかせるようにする。 同じ目盛りのものさしに気づいたら,1cm区切りのものさしを別に配付する。 1cmの量感を培うために自分の体の中から1cmに近い長さを探させる。 |
4 | 長さを測る練習をする。 |
シートの問題は,長さの位置や幅を変えておき,ものさしを使って測定させる。はしをそろえたり,指を当てて数えたりすることを丁寧に指導する。 |
5 | 10cm探しをする。 |
すぐにものさしを当てて測定するのではなく,これくらいかなと予想し,測らせるようにする。見付けられない児童には,教室や箱の中に10cmの物を準備してさりげなく置いておく。 |
6 | まとめをする。 |
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(1) 身近な先生の靴の長さ比べをすることで,「どの靴が一番長いか比べてみたい」という意欲が高まり,比べる方法を話し合い,測定活動へとつなげていくことができた。
(2) 目盛りの大きさの違うものさしで測った結果から,同じ大きさの目盛りのものさしが必要であることに気づくことができた。その後再度,1cm目盛りのものさしで測り,結果を比べたことで,正しく測定できたことを実感することができた。
(3) 1cm目盛りのものさしで身の回りの物を測ったり,10cmの長さ探しをしたりすることで,1cmの単位のよさや量感を体感することができた。