2年 かけ算(2)

5のくじ引きゲームから,かけ算を導入する

1 指導のねらい

5のカードを用いたくじ引きゲームをし,その得点の結果についての話し合いを通して,「5のいくつ分」という見方を知らせて,かけ算が用いられる場面に気づかせたり,かけ算の意味を理解させたりすることをねらっている。

2 私のアイディア

(1) くじ引きゲームを通してかけ算の場面に気づく教材の工夫

グループ毎に,点が5つついたカードのくじ引きゲームを行い,その結果についての話し合いを通して,カードが全部5なので,5とびやたし算でできることが分かり,「5のつ分」ということや「5×○」というかけ算に表せることを導入できる。

  1. ブラックボックスをグループ分準備する。
  2. ブラックボックスの中には,のカードとカードをそれぞれ入れておく。
  3. ブラックボックスから,一人ずつくじを引く。
  4. 点の多いチームを勝ちとする。

(2) 絵から,「つぶん」を見つけて,式に表すことで,かけ算の用いられる場を理解する算数的活動の工夫

絵から「つぶん」を見つけ,「○×□」の式に表す活動を通して,かけ算の用いられる場がいろいろあることを理解させる。また,かけ算の事象とかけ算でない事象を比較することで,かけ算の用いられる場面を明確にする。

3 授業の実際

1 目標

基準量の「いくつ分」という見方について理解し,かけ算の式に表すことができる。

2 展開

学習活動 発問と子どもの反応・指導のポイント
1 くじ引きゲームをする。
くじ引きゲームをします。
やったぁ!!
ポイント
 導入にくじびきゲームを取り入れ,多く点を取りたいという子どもたちの意欲を高める。
  1. 各チームの代表がブラックボックス1つをじゃんけんで選び,その箱から各グループ毎に一人ずつくじをひく
  2. 点の多いチームを勝ちとする。
※箱の中身は,あらかじめ,あたり(5点)とはずれの数をそれぞれ変えて準備しておく。

※「はずれカード」はキャラクター等で作り,“ざんねん”のマイナスイメージを和らげるようにする。
2 くじびきゲームの結果をまとめる。
一番得点の高いチームはどのチームかな。
5のカードが4枚あるから,グループがチャンピオンです。
5,10,15,20…と5ずつ数えると20点です。
5+5+5+5=20です。
ポイント
 得点の結果を話し合う中で,同じ5だけのカードなので,5とびやたし算で見つけられることに気づかせる。
3 かけ算の意味と式の書き方について知る。
5が4つあることを5の4つ分と言って,5×4というかけ算の式に書くことができます。
☆チームは,5点のカードが3枚だから,5×3になるのかな。
ポイント
 他のチームの結果を○の□つ分,○×□に表し,基準量の「いくつ分」という見方を理解させる。
4 かけ算とかけ算でないものに分ける。
<小黒板用と児童用を準備する>
絵から,同じ数のまとまりを見つけて,かけ算の式にできるものを見つけましょう。
2個ずつのったリンゴの皿が,4皿分あるから,5×4かな。
3個,1個,2個,4個のいちごがあるけど,同じ数ずつではないからかけ算にはできないな。
ポイント
 身の回りにある場面を取り上げた絵から,同じ数のいくつ分を見つけ出し,かけ算の場面に表せることを知らせる。
5 練習プリントをする。

【練習問題】

練習問題に挑戦してみましょう。つ分,○×△に表してみましょう。
ポイント
 ワークシートに意図的に空欄を作っておき,児童に問題を考えさせてもよい。
6 身の回りのかけ算さがしをする。
みんなの周りにあるかけ算をさがしてみましょう。
鉛筆5本ずつ入った筆箱が3人分で,5×3。
どんぐりが7個ずつ入った袋が5袋で,7×5。
ポイント
 教室内の掲示や道具に,かけ算の式になるようなものを仕組んでおき,かけ算を見つけられるようにしておく。
7 学習のまとめをする。
今日の学習でわかったことを発表しましょう。
ポイント
 学習のまとめは,児童の言葉でまとめていくようにする。

4 授業を終えて

(1) 5のカードのくじ引きゲームを導入に取り入れたことで,「5が□つある」という考え方や5とびの数え方,5のたし算が子どもから出され,「5のいくつ分」と「5×□」のかけ算の式を導き出すことができた。

(2) 同じ数ずつまとまりのある絵と,バラバラの数にまとまっている絵の両方の場面から,かけ算は,必ず同じ数のまとまりのときだけ使えることが分かり,日常生活の中からもかけ算の用いられる場をさがすことができた。

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