5のカードを用いたくじ引きゲームをし,その得点の結果についての話し合いを通して,「5のいくつ分」という見方を知らせて,かけ算が用いられる場面に気づかせたり,かけ算の意味を理解させたりすることをねらっている。
(1) くじ引きゲームを通してかけ算の場面に気づく教材の工夫
グループ毎に,点が5つついたカードのくじ引きゲームを行い,その結果についての話し合いを通して,カードが全部5なので,5とびやたし算でできることが分かり,「5の○つ分」ということや「5×○」というかけ算に表せることを導入できる。
- ブラックボックスをグループ分準備する。
- ブラックボックスの中には,のカードとカードをそれぞれ入れておく。
- ブラックボックスから,一人ずつくじを引く。
- 点の多いチームを勝ちとする。
(2) 絵から,「○の□つぶん」を見つけて,式に表すことで,かけ算の用いられる場を理解する算数的活動の工夫
絵から「○の□つぶん」を見つけ,「○×□」の式に表す活動を通して,かけ算の用いられる場がいろいろあることを理解させる。また,かけ算の事象とかけ算でない事象を比較することで,かけ算の用いられる場面を明確にする。
基準量の「いくつ分」という見方について理解し,かけ算の式に表すことができる。
学習活動 | 発問と子どもの反応・指導のポイント | |
---|---|---|
1 | くじ引きゲームをする。 |
導入にくじびきゲームを取り入れ,多く点を取りたいという子どもたちの意欲を高める。
※「はずれカード」はキャラクター等で作り,“ざんねん”のマイナスイメージを和らげるようにする。 |
2 | くじびきゲームの結果をまとめる。 |
得点の結果を話し合う中で,同じ5だけのカードなので,5とびやたし算で見つけられることに気づかせる。 |
3 | かけ算の意味と式の書き方について知る。 |
他のチームの結果を○の□つ分,○×□に表し,基準量の「いくつ分」という見方を理解させる。 |
4 | かけ算とかけ算でないものに分ける。 |
<小黒板用と児童用を準備する>
身の回りにある場面を取り上げた絵から,同じ数のいくつ分を見つけ出し,かけ算の場面に表せることを知らせる。 |
5 | 練習プリントをする。 |
【練習問題】
ワークシートに意図的に空欄を作っておき,児童に問題を考えさせてもよい。 |
6 | 身の回りのかけ算さがしをする。 |
教室内の掲示や道具に,かけ算の式になるようなものを仕組んでおき,かけ算を見つけられるようにしておく。 |
7 | 学習のまとめをする。 |
学習のまとめは,児童の言葉でまとめていくようにする。 |
(1) 5のカードのくじ引きゲームを導入に取り入れたことで,「5が□つある」という考え方や5とびの数え方,5のたし算が子どもから出され,「5のいくつ分」と「5×□」のかけ算の式を導き出すことができた。
(2) 同じ数ずつまとまりのある絵と,バラバラの数にまとまっている絵の両方の場面から,かけ算は,必ず同じ数のまとまりのときだけ使えることが分かり,日常生活の中からもかけ算の用いられる場をさがすことができた。